あなた

あれから

たくさんの愛をしって

あなたの言葉に

彩られ乍ら

世界は華やかに奔り

鮮やかに吹き

そして

うららかに 散った


ある朝

わたしはちいさな春のなかで

だれかの腕に目を覚ます


ある朝

わたしははるかな夢の先で

だれかの夢をつぶす


みにくく

あるいは 残酷に

存在が はっきりとだれかを

傷つけてしまう


ある朝

わたしは目を覚ます


あなたの言葉を

思い出し乍ら


なにか ひとつぶ

朝霧のような

きよらかで聡明たる季節に咲きたいけれど

おそらくは あなたのように

うまくはできないのでしょう

うまくはできないのでしょうね


春 わたしは佇み

やがて年老いた顔で

きっとあの頃したように

あなたを思い出すのでしょう

あなたを思い出すのでしょうね

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