眼鏡

歩道橋を

時間をかけてわたるきもち

あまりものな生活は

わたしのために

あるらしい


誰かと会いに

約束をかなえに

道路を越える、神様を信じる

暮らしはいつもへんてこで

そのすこしな切れめ、切れめに

愛についておもうたび

純粋なまま綺麗でいたいとなる


むかしもらった眼鏡は

そのとき世界を媒介して

いまでは繋ぎめとだけなっている

あなたがいた

そのことだけを忘れているつもりで

たまに振りかえるのだけど

単純な機構でできた奇跡の

まぁ儚い思い出が在った


わたしを置いていかないで

世界は薄ぼけているのに

約束した場所のみちしるべだけ

もっとはっきりするような

暮らしという眼鏡

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