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「奥様、娘さんの事件に何か知っている事はありますか?例えば、犯人の心当たりとか。」
「そんな知るわけ無いじゃないの。」
「そうですか・・・。奥さんなら何か知っていると思いましたが。」
カイは肩を落として言った。
リリーは、少し険悪な顔をしてカイを見た。
すると、
「きゃぁぁああああぁ!!!」
甲高い声が聞こえた。
「フレイヤさん!?」
カイが言うと、リリーがハッとした。
「フレイヤ!」
そう言うと間にカイは一目散に部屋へ戻ろうとしていた。
「ちょっと待って!!」
「早く追いかけて下さい!時間がない!!」
カイは走りながら言った。
急いで走って部屋のドアを開けると、ナイフを持ってフレイヤに向けている執事アーサーがいた。
「アーサー!貴方何を!!」
リリーが言った。
「奥様、見ての通り。邪魔者の排除です。お嬢様は確かにこの家の者ですが、血は繋がっていない!お嬢様に家を渡されるのは私は昔から認めないでいたのを奥様も御理解しているはずですが。」
「だけど、それは随分前に貴方は納得したじゃないの!」
「それはその時です!一週間前御主人が亡くなり、家の主人がお嬢様と決まって・・・。奥様、貴方は不安・疑問を抱かなかったのですか!?」
「アーサー、よく聞きなさい!もうそれは、私と主人とで深く話した上での判断で仕方なかったのよ!」
2人は、言い合いを続けた。
どうやらこの事件についてこのふたりは知っているんだとカイはわかった。
「この事件の事について知っているようですね。奥さん。」
カイは言った。
「・・・えぇ、知っておりました。」
「実行も?」
カイは質問をした。
「いえ、実行は私自身の判断で奥様とは何も関係ありません。」
「そうですか・・・、なら貴方には大人しく警察に連れて行かなければいけないようですね。」
カイはそう言うと、服のポケットから銃を取り出した。
「カイ!何持ってきているんだ!フレイヤさんに当たったら。」
「大丈夫、当てはしないさ。」
カイはそのまま少しずつ執事に近づいた。
「近づくな!お嬢様がどうなっても知りませんぞ!!」
「安心して下さい。すぐに終わらせますから。」
銃を構えた。
そして・・・
パァン
一発の弾が飛んだ。
「ぐぁ!!」
弾は、ナイフを持っている執事の右手に命中した。
「ワート、早く助けてやれ!」
カイが言った。
「うん、わかった。」
ワートは、承知すると執事とフレイヤを切り離した。
カイは、切り離された隙に執事を銃で押し倒し動きを封じた。
「大丈夫ですか?」
ワートはフレイヤに言った。
「はい・・・。」
フレイヤは、ワートに半泣き状態で答えた。
いきなりナイフを向けられた恐怖で肩は震えていた。
「執事さん、警察に行って貰いますが構いませんね?」
カイが小さい声で言った。
執事はくそっと小さい声で言い、拳を床に叩きつけた。
事件は、これで幕を閉じたかのように感じた・・・
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