三月二十二日 世界水の日

 平成四年(一九九二年)ブラジル、リオデジャネイロで開催された国連会議の場において決議された正式な国際デーの一つ。

 この時の議題は、主に地球環境問題だったわけだが、その中の一つが水資源に関するものだった。

 通称「アジェンダ21」と呼ばれている行動計画及び指標は、大きく四項目、全四十章からなる合意文書である。

 昨今叫ばれているSDGsのハシリみたいなものだ。


 日本では当たり前に整備されている上中下水道や、元々豊富な水資源を抱えているためピンとこないが、国連会議広報センターがまとめている二〇一八年度の報告書によると、世界規模では二〇一五年時点でも二十一億人以上の人々が衛生面の整わない水を飲料水として口にし、四十五億人を超える人々が下水設備のないトイレを使用する生活を余儀なくされているという。

 その多くは貧困にも直面しているのが現状とのことだ。


 病気と貧困は切っても切れない関係にあるわけだが、それらの改善は安心安全清潔な水の安定確保と供給から始まるという。

 ライフラインの整備、川に垂れ流しになってしまう汚水の処理、気候変動による水不足の解消と安定供給、経済発展はそれから次の段階の話となる——といった課題に一つずつ取り組むための世界的な合意が、リオ宣言でありアジェンダ21というわけだ。


 もちろん、民間レベルでも三月二十二日には様々な水に関する啓発イベントや活動報告なんかが行われている。


 日本では平成二十六年(二〇一四年)に水循環基本法が整備施行され、「水」に関する法律が定められている。


 毎度お馴染みe-gov法令検索によると、ばっくり掻い摘んで「生きていくのに欠かせない水だって限りある資源だから、ご利用は計画的にな。元々日本は水資源に恵まれてアドバンテージ高いけど、ちゃんと管理しよな」ということなのだが、国は水循環に関する施策を総合的に判断するのが仕事で、地方行政レベルでは、それぞれに地域にあった施策を講じるのが仕事で、事業者レベルでは国と行政に協力しながら健全な水循環運営に携わり、個人レベルでは国と地方と業者に協力しながら適切な水使用を心がける——的な感じだ。


 夏場の水不足時期に、浴びるほど水を垂れ流す行為とか、工業廃水とか家庭排水を河川に垂れ流すとかやめてよね、みたいな常識的な範囲で考えておいたら良いかと思う。

 自分達レベルで身近に考えるなら、川や海、森林へのゴミのポイ捨て、BBQ使用済み諸々を河原に埋めるとか、健全な水循環を阻害してますからね、的な感じだ。

 まあ、ぶっちゃけ迷惑行為として各自治体の条例に基づいて罰金課せられる程度には悪質な行為なので、己の行動を振り返る良い機会かもしれない。

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