2022年3月編
三月一日 マヨネーズの日
日本で初めて国産マヨネーズが販売されたのは、大正十四年(一九二五年)三月だったそうだ。
「三月」に「初めて」をかけて三月一日をマヨネーズの日に制定したのは、お馴染みキユーピー株式会社である。一般社団法人 日本記念日協会の認定を受けたオフィシャル記念日だ。
筆者は今まで「キューピー」だと信じて疑っていなかったのだが、正式な商標登録は「キユーピー(小さいユじゃない)」と表記するらしい。
公式によると、「デザイン」とのことだ。
知らずに今までキユーピーマヨネーズを食してきたことを、ここに改めてお詫びしたい(平謝)
さて、発売当初の国産マヨネーズは瓶詰めでの販売だったのだが、この頃からキユーピーちゃんはラベルに描かれてきた。
元はアメリカ人イラストレーターが、明治四十二年(一九〇九年)にデザインした神話モチーフのキャラクターである(構想は公式発表の六年くらい前からできていたようだ)。
まさか愛の使者もマヨネーズのマスコットになるとは思ってもみなかったことだろう。
最初の人形化は明治四十五年(一九一二年)、ドイツ製のビスクドールから始まっているようだが、これがアメリカで爆発的に売れた。
売れまくるので、翌年から日本も輸出向けに製造が開始されることになった。キユーピー・メイド・イン・ジャパンは実はここからスタートしている。
ドイツの圧倒的シェアだったが、それがひっくり返る出来事が起こる——第一次世界大戦だ。
疲弊し切ったドイツに代わり、日本が製造シェアを取るようになった。そして着色の容易なセルロイド製カラフルキユーピーが誕生するのだが、安全面から(セルロイドは超燃えやすい)後々ソフトビニール製へと仕様変更されて現在に至るというわけだ。
(嘘か本当か定かじゃないが、かのアンネ・フランクも聖ニコラウスの日にキユーピー人形を貰ったという逸話が残ってたりなかったりする)
話をマヨネーズに戻す。
日本でのシェアおよそ七割を占めるキユーピーマヨネーズの特徴は「卵黄ベース」で作っているという点だ。
世の中には「全卵ベース」で作っているマヨネーズも存在し、日本での全卵代表格はピュアセレクト(味の素)である。
全世界的にはマヨネーズは、全卵で作るものが多いそうだ(筆者は俄然コクうまキユーピー派)。日本人は一人当たり年間およそ一・五キロほどのマヨネーズを消費しているらしい。
そんなマヨネーズ消費量世界ランク一位は、渦中のロシアだったりする。
一人当たりの年間消費量はおよそ五・一キロ(日本平均の三倍以上)にもなり、バケツのような瓶でマヨネーズは店頭に並んでいるという——つまり、比類なきマヨラー大国おそロシア。
果たして現状、制裁措置を表明している西側諸国の制裁品目に、マヨネーズとその原材料は含まれているのだろうか(素朴な疑問)
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