二月十七日 電子書籍の日

 カクヨムに身を置く以上、無視をしてはいけない日、その二十五。

 平成二十三年(二〇一一年)二月十七日より、ブックライブが電子書籍サービスを開始したことを記念し、同社が平成二十五年(二〇一三年)に一般社団法人 日本記念日協会に申請して認定されたオフィシャル記念日。


「電子書籍の認知度向上や利用促進を図り、電子書籍市場の拡大と豊かな読書体験の提供」を目的としているとのことだ。


 国内最大規模の電子書籍蔵書数を誇ると自負しているブックライブの運営会社(株式会社BookLive)の沿革から元を辿ると凸版印刷株式会社の子会社としてスタートし、電子書籍ストア専門の書店として平成十五年(二〇〇三年)から事業を展開しているようである。

 二〇〇三年当時といえば、時代はまだまだガラパゴス携帯電話(ガラケー)隆盛期だ。筆者のケータイもパカパカ二つ折りタイプで伸びるアンテナが光るやつだった(実に懐かしい)。


 当時はケータイ端末向けのコミック配信を想定して展開していたようだが、これがざっくりブックライブの前身事業という扱いになっている。

(尚、ガラケー向け配信は二〇一九年三月に終了しているようである)

 このケータイ向け電子コミック配信サービスが当時の「世界初」とされていて少なくとも日本国内では電子書籍というジャンルにおける古参勢——老舗ブランドと言って差し支えない。


 余談だが、世界最大規模のオンライン書店であるアマゾンが書籍販売を開始したのが平成七年(一九九五年)のことで、電子書籍キンドルを開始したのが平成十九年(二〇〇七年)なので、デジタル配信に関していえば確かにブックライブの方が(前身事業ではあるが)スタートが早いということになる。

 持ち運び通信手段であるはずの携帯電話が、本来の通信目的とは異なる方向に謎の進化を遂げて普及した日本ならではの結果と言えるかもしれない。

(よくよく考えると、「電話機で漫画読みたい」って当時の諸外国勢からしたら謎思考以外の何ものでもない・笑)


 そんなブックライブが自社サービス利用者を対象に先月実施したアンケート結果が公開されていた。

「電子書籍を通して自分が取り組んでいる自己投資のジャンル」について、二十代、三十代の男女とも堂々の一位が「金融資産運用」で実に全体の四割を占めているという至極真面目な結果となったのは興味深い。

 次いで、第二位が「生き方・働き方」ジャンルでこちらも四割弱、第三位が「基礎教養」で三割強——さすがは働く世代といった身近な生活に直結する内容だったのはある意味納得だ。


 これだけだと息が詰まるアンケートなので、コミュ力やリーダーシップ等々を学びたい漫画キャラクターや芸能人ランキングなんかも公開されていた。

 圧倒的に明石家さんまとモンキー・D・ルフィが票を獲得しているのが面白いのだが、この二人が並列に扱われている現象も実に興味深い。

(明石家さんまが二次元化しているのか、ルフィが三次元化しているのか……)

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る