2022年2月編

二月一日 旧正月(春節)

 明治時代の新暦(太陽暦)導入以降、日本では廃れてしまったとされる旧暦の正月(一月一日)、沖縄や一部地域では今も旧正月として祝う大事な年行事だ。

 現在では、お隣中国をはじめシンガポール、韓国、東南アジアではベトナムやマレーシアなど中国文化の影響を受けている地域で盛り上がる(おそらく)一年で最も重要な行事である。


 元は中国古来の暦(太陰太陽暦)を基準にしているので、現在世界標準となっているグレゴリオ暦に置き換えると、毎年変動制となる。

 暦計算をばっくり掻い摘むと、一月二十日頃から二月二十日頃あたりまでの一ヶ月の間で、新月を迎える日が基準となるようだ。

 なので、今年二〇二二年は二月一日が旧暦の元日となる。


 参考までに、来年は一月二十三日が新月に当たるため旧暦の元日となる。

 旧正月を祝う本場の方々も、「今年はいつ?」状態となるのはあるあるらしく、専用アプリなどでチェックしているようだ。


 さて、日本では年越しに蕎麦(長寿祈願)を食すが、旧正月=春節を祝う方々は年越しに水餃子を食べるらしい。

 餃子の形が、かつてのお金の形に似ているのと、「餃子」の字に入っている「が交わる」が昔の時間を表していて、ゆく年くる年の間を連想させるからであるらしい。

 年を跨いで餃子を食べる(というか宴会状態)習慣があるため、そうなったとする説が一般的だ。


 あとは、やたらとお金にまつわる幸せ連想語呂合わせが多いのも面白い。

 よく、上下が逆さまになった「福」の字を中華料理店などでも見かけるが、「逆さ」と「来る」の発音(到)が同じという理由で「逆さ福」=「招福」という意味合いになるらしい。

 この手の語呂は他にもあって、「生活に余裕が持てるように」の「余」の字と「魚」の発音が同じだから、正月料理には魚を食べる(余裕で生活できるだけの金が入ってくる願掛け)とか、年糕ねんこうと呼ばれる正月餅の発音と「高」の発音が同じだから「運気アップ(主に金銭的な意味で)」に掛けているとか、発音が重要視されているのは興味深い。

 そして、さすがというべきか、具体的なカネに対する執心も凄い……とひっそり思った筆者である。


 夜中まで爆竹を鳴らすもの伝統らしいが、昨今はどうやら規制が敷かれていて昔ほどは鳴らさない地域も増えているようである。

 今年は直後にオリンピックも控えているから、なおさら規制が厳しいかもしれない。


 一方東南アジアのベトナムなどでは、色とりどりの正月ランタンを上げる風習が幻想的で賑やかだ。

 確か、某夢の国制作、塔に囚われたお姫様の3Dアニメーションにもモチーフとして取り上げられていたのではなかったかと記憶している。(台湾の方のランタンだったかな?)

 コロナ禍で大移動も大集会も自粛を余儀なくされているだろうが、個々は健やかであってほしいものだ。


 話が脇道に逸れるが、昨今注目されている金運スピリチュアル系の面々も、今年の二月は特に金巡りに吉が出ていると(なぜか)口を揃えているので、計画的に資金繰りを見直すには良いタイミングなのかもしれない。

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