一月三十一日 焼ビーフンがギネス記録に認定された日

 遡ること紀元前二二〇年あたり、お隣中国大陸では秦の始皇帝の時代にビーフンは誕生したという。南進遠征時、米を食べ慣れない兵士のために、米を粉に挽いて麺状にしたものが始まりだったそうだ。

 つまり、ミリ飯(戦闘糧食)というやつだ。


 それが時代をくだり、台湾を経由して東南アジアへと波及していき庶民食として広まっていった。

 日本へは、東南アジアからの引き上げ軍人きっかけで戦後、一般家庭の食卓にのぼるようになったという。


 令和二年(二〇二〇年)一月三十一日、ケンミンの焼ビーフンが「世界一ロングラン販売しているビーフンブランド」としてギネス記録の認定を受けたそうだ。

 それにより、販売元であるケンミン食品株式会社が、「焼ビーフンの日」として一般社団法人 日本記念日協会に申請し認定されたオフィシャル記念日である。

 同社によると、創業者である高村健民氏の名前から派生して、「みんな(民)で健やか」といった感じの創業理念のもと社名をあてているようである。


 兵庫県神戸市に本社を置く同社の焼ビーフン第一世代が販売開始したのは昭和三十五年(一九六〇年)で、現在はSGDs十七項目中、八項目に配慮した焼ビーフン第七世代が今年三月に販売開始するらしい。実に六十年以上の販売実績を誇る大ヒット商品だ。

 何でも環境に配慮してパッケージを見直し、調理時間と水道高熱効率を上げるために麺の形状を変更し、ついでに栄養バランスも見直したようである。

 余談だが、同社のサイトを覗きにいくと、今年九月に販売する予定の焼ビーフンのファン投票を開催中だった。熱烈な焼ビーフンファンは二月六日までに、ぜひ一票投じてみるのも一興だ。


 さて、お膝元というだけあって神戸市中央区、オシャンティーな港の観光スポット、ハーバーランドからほど近い立地に焼きビーフンランチが楽しめるカジュアルダイニングまで営業しているケンミン食品だ。

 冗談かと思ったが、本当に焼ビーフンランチを提供していて、価格も手頃であることから老若男女問わずに盛況だったりする。

(どうも沿革を調べていると、東京六本木にも二〇一六年にダイニングをオープンしているようだ)

 阪神淡路大震災の際も被災しているが、幸い被害は最小限だったそうだ。一時、篠山に移転営業し再び神戸に戻ってきているようである。


 何かとグルテンフリーだとか、低糖質だとかが持て囃される昨今、米粉からできているビーフンは今の時代の寵児ともいえるのかもしれない。

 とりあえず、今日の夕飯どうしよう? と考え中の人は、もっともらしく焼ビーフンを候補に挙げておくのも悪くない。

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