一月二十八日 コピーライターの日

 コピーライター、あらゆる広告媒体の文案を考える人のことを指す外来語だが、あえて日本語にするなら広告文案家となるだろうか。

 職業柄、依頼主の内容に沿って意図を汲み取り、尚且つ文学的センスと業界知識を必要とされる、なかなか難しいお仕事だ。


 日本で有名なコピーライターと言えば、真っ先に思い浮かぶのが糸井重里氏ではなかろうか。ご本人もタレント活動をされているのでメディア露出も多く、数多のジブリ作品や企業のキャッチコピーを手掛けてこられた比較的若い世代にも馴染み深い御仁だと筆者は認識している。

 あるいは第一人者という意味では、超有名企業のコピーを担当し、カンヌでの受賞歴もある仲畑貴志氏などが真っ先に思い浮かぶかもしれない。


 これらのクラスになると年収一千万も夢じゃないだろうが、現実はなかなか厳しく一般的なサラリーマンと同等かあるいはそれ以下という場合もザラにあるようなので、業界としては思考は柔軟だけど心身はタフで腐らずにコツコツ努力ができて、コミュ力の高い人が向いている——そうだ。

(だいたい、どんな業界もそういう人が大成すると思われる……)


 世界的にはアメリカのジョン・B・J・ウィルソン氏などが著名なコピーライターとして名前が挙がるので、映画好きの人などは記憶しているかもしれない。

 年間二百本以上の映画の監修に携わり、ゴールデンラズベリー賞(アカデミー賞の裏で盛り上がる茶番、その年の最低映画決定賞。ラジー賞ともいうね)の創設者だったりする。


 さて、本題の「コピーライターの日」の由来としては、昭和三十一年(一九五六年)に日本が「万国著作権条約」に加入、一月二十八日に公布したことを受けて記念日に制定されている。

 アルファベットのCを丸で囲ったコピーライトマークは、この条約に基づいているというわけだ。

 先立って昭和二十七年(一九五二年)、スイスのジュネーブにて著作権保護の条約が作成され、昭和三十年(一九五五年)に発行された。提唱したのはユネスコとのことだ。


 現在では、アメリカをはじめ一六〇カ国以上の国々がベルヌ条約に加盟しているため、必ずしもコピーライトマークを表示していなくても(=無方式主義)国際的に著作物の保護がなされている。

 著作物の保護期間は五十年と認識される大元は、ベルヌ条約に基づいていたりする。

 万国著作権条約及びベルヌ条約は、著作権に関する二大国際条約である。

 カクヨムに集う以上、無視してはいけない日、その二十二に挙げておきたい。

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