一月十三日 初虚空蔵(はつこくうぞう)

 智慧、福徳、記憶などを司るといわれている仏教の信仰対象の一尊である虚空蔵菩薩こくうぞうぼさつ(丑寅年の守護尊でもある)の縁日は毎月十三日なのだが、その年最初の縁日を指す日。


 京都などでは、その年に十三歳になる子供たちの成長と無事を祈願する「十三参り(人生で最初の厄年にあたるため厄祓い的な意味もある)」なんかが伝統的に行われていたりする。


 元々はサンスクリット語で「アーカーシャガルバ」などと呼ばれていた所謂いわゆる「真言密教系」のインドのカミサマだ。

 日本には、弘法大師空海が唐で密教を学んで持ち帰ったとされている。


 地蔵じぞう菩薩が大地の恵みを背景に持つ菩薩なら、虚空蔵菩薩は広大な宇宙の恵みを背景に持つ菩薩という感じだ。

 書いて字の如く虚空蔵とは「無限の容積をもつ蔵(=宇宙規模の広大無限な智慧)」という意味で、明けの明星(=金星)は虚空蔵菩薩の化身である(とされている)。

 とりあえず、未明の空で光り輝いているようなイメージを持つ菩薩様だ。

(筆者は勝手に「東洋のヴィーナス」と認識している・違)


 智慧や記憶に御利益があるとされているため、数多の受験の合格祈願なんかもされている有難い菩薩様である。


 これからの受験シーズン、いつ拝むのか、今でしょう!

 ということで、漠然と「不安じゃ——!」と感じている人がいるなら、虚空蔵菩薩のご真言マントラを三回ばっかし唱えてみるのも気持ちを落ち着ける一方法である。


「のうぼう あきゃしゃ きゃらばや おん ありきゃ まりぼり そわか」


 はい、りぴーとあふたーみー。


「のうぼう あきゃしゃ きゃらばや おん ありきゃ まりぼり そわか(×3)」


 言葉遊びと思ってモニャモニャ唱えてみるのも、八〇年代ユーロビート調に歌ってみるのも、はたまたラップバトル調でノリノリyoするのもアリだ(待て)

 気分転換且つ、あご周りの体操になって良さげである。


 一応、意味合いとしては「虚空蔵菩薩と(精神的に)繋がれば無限の叡智と無尽蔵の富が得られます。だから心から祈ります」的な感じだ。

 本気で修行したい人は、このご真言を一日一万回、百日間唱え続けよう。

 達成できたら、あらゆる物事を無限に記憶できるチート能力に目覚めるかもしれない。


(真面目な話、そういう修行方法を「虚空蔵菩薩求聞持法こくうぞうぼさつぐもんじほう」と言って、実際に存在しているよ! 頑張って☆)

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る