2022年1月編

一月一日 元日(がんじつ)

 謹んで新春のお慶びを申し上げます。

 旧年は何かとお世話になり誠にありがとう存じます。

 本年も何卒よろしくお引き立て賜りたくお願い申し上げます。


 もはやテンプレートともいうべき新年一発目のご挨拶のとおり、本年も何卒よろしくご愛読賜りたい次第である(深々)


 さて、一年で初めの日。

 年賀状では一月一日に届くことを想定して、例えば今年なら「令和四年 元旦」と末尾に記したりするが、実は厳密に言うと「元旦」と「元日」には区別があるという。

 太陽を表す「日」と地平線を表す「一」が組み合わさった字である「旦」。元々は「一日ついたちの午前中」を指す割とピンポイントな漢字だったりする。日本では郵便局員が未明から配達に走り回ってくれるおかげで、「元旦」に年賀状が届くから敢えてこういう表現をしているそうだ。


 かたや「元日」については、一日中を指しているため、一月一日ならどの時間帯でも使用可能というわけだ。だから、年賀状に限って言えば、「元旦」でも「元日」でも大きな意味の違いはないということになる(年賀状はだいたい午前中に配達完了してくれるからね)


 そして、元日を過ぎる年賀状の場合、やむを得ないので「正月」と記すことになる。筆者は毎年、年末年始に年賀状をしたためているため、ほぼ例年「正月」と表記している……。頑張ってipadで図柄から何から手書きしてるから、そこの誠意だけは汲み取ってほしいナ……というわがままな心構えは(一応)反省している。


 そして、日本語って細かいなあと母国語でありながら思うことなのだが、「新年あけましておめでとう」という表現は厳密には誤っているそうだ。


 明ける=新年と同義なので、無意味な重複表現を嫌う日本語においては「正しくない」らしい(年賀状を送った当時の古典の先生に新学期早々赤ペン指摘された筆者の苦々しい青春の思い出・笑)

 師いわく、この場合の正しい表記は「新年おめでとうございます」あるいは「あけましておめでとうございます」のいずれかにしましょう、とのことだった。

 些細なことだが、この歳になっても未だにこの時の赤ペン指摘は忘れることはない。実にありがたい教えであった。

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