十二月二十九日 福の日
いよいよ帰省ラッシュが本格化する頃合い。慌ただしい年末だが、おせち料理の準備や来年の笑福を願う意味で二と九とフク(福)の語呂合わせに因んで制定された日。
制定したのはテレビCMも流すような大手企業——かまぼこやはんぺんといった練り物でお馴染み株式会社紀文食品で、一般社団法人 日本記念日協会も認定しているオフィシャル記念日だ。
紀文は昭和十三年(一九三八年)、八丁堀からスタートした米店だったが、そこから海産物卸などを経て水産練り物へと発展し築地で頑張る商店が、百貨店へと出店して飛躍し、現在では銀座に本社を構える東証一部上場企業である。
(今のところ、だいたい一株九〇〇円から九五〇円くらいの間で推移してる感じだ)
それはさておき、昨今おせちは予約する時代になりつつあるが、基本的には各家庭の味があった縁起物で構成される季節料理である。
現代では主に正月料理として振る舞われるが、元々の由来は「季節の節目を祝う」もので、正月限定ではなかったらしい。だから、漢字に置き直すと「お節料理」となる。
ルーツを辿ると、おおよそ平安時代には原型となる「五節」が存在していたらしく、江戸時代には庶民に普及していたようだ。地方によっても異なるだろうが、だいたい二十から三十品目くらい種類がある。
代表的な品目を挙げると、黒豆(まめに暮らす)、数の子(子孫繁栄)、たたき牛蒡(関西:深く根差す=繁栄)、かまぼこ、栗きんとん、伊達巻(我が家は出汁巻き)、昆布巻き(だいたい全部、慶事金運な感じ)、タイ、ブリ、エビ、ハマグリ(だいたい、めでたいとか出世とかそんな感じ)、酢れんこん、かぶらの千枚漬け(関西)、大根なます、クワイ、こんにゃく、里芋、たけのこ、筑前煮(どれもだいたい家族団欒と子孫繁栄)あたりを押さえておけば堂々たるメジャーの一軍だろう。
筆者が物心ついた頃から我が家の雑煮は基本「お澄まし」で角餅トッピングなので、関西白だし風ですらない(汗)
これはおそらく母方の親戚が土佐っ子である影響だと思っている。
(高知はカツオ出汁の効いたお澄ましが主流。美味いよ)
そこから派生した筆者の雑煮は鶏ダシの澄ましが基本形体となっている。
(美味いよ。でももはや実態は鶏鍋)
話が脇道に逸れたが、もう一つ、二十九日は「大福の日」でもあるらしい。
こちらも別企業(株式会社日本アクセス:食品総合卸)が制定しているオフィシャル記念日だ。帰省の手土産に困ったら、しれっと「本日は大福の日でもあるらしいので」と、もっともらしい事を言えば良い(と思っている)
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