十二月十三日 大掃除の日

 積もり積もった一年間の汚れを払い、綺麗にして新年を迎えるための準備——古くは正月事始め、すす払いの日などと呼ばれていた年神様を迎える準備を始める日。

 それが転じて「大掃除の日」となった。

 制定したのは大阪に本社を置く昭和三十四年(一九五九年)創業、ビル管理およびハウスクリーニングの株式会社東和総合サービスで、一般社団法人 日本記念日協会が認定しているオフィシャル記念日だ。

(まさにそろそろ年末に向けて掃除始めないとな〜と思っていた筆者はタイムリーヒットを喰らってテンションが低い・笑)


 年末ギリギリまで通常業務に追われる現代人の感覚では、会社が冬季休暇に入る間にまとめてバババッと掃除をやってしまいがちだが、本来の「年末大掃除」は十二月十三日から二十八日の間に済ませてしまうものだそうだ。

 元々、二十九日(苦につながる)と三十一日(一夜飾り)は縁起が悪いと忌避されているのだが、そうは言っても……という本音がひょっこり喉元まで上がってくる。


 それは傍に置いておいて、今でも寺社仏閣、老舗旅館などでは鬼が出歩かない日(鬼宿日=吉日)に行う「煤払いの日」を慣わしとして大事にしている。

 家屋内を物理的に清潔に保つのは勿論だが、同時に厄落としの意味合いも兼ねているという。

 そして、門松や正月料理の材料を揃える「松迎え」もこの頃に始める。今でこそ出来合い具材やおせちの予約などが幅を利かせているが、昔はじっくり時間をかけて仕込みをしていた大変な作業だったのだから納得だ。

 時代が時代だけに、古くはおせち料理は女性の担当とされてきたが、かたや力仕事も含めた正月準備の全体を統括し、率先して音頭をとって働いていた男性のことを「年男」と呼んでいたそうだ。

 こうやって成り立ちを振り返ってみると、しっかり役割分担ができていたように思う。


 さて、この「煤払い行事」だが、神社庁の公式サイトにもきっちりと年の瀬の恒例行事として紹介されている。

 社殿掃除に使用する笹竹などは使用後、捨てずに日を改めてお焚き上げをして完了ということらしい。

 今年も残すところ二週間あまり。

 一歩一歩、年末の足音が聞こえてくる。

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