十二月六日 聖ニコラウスの日

 諸説あるが、こんにちのサンタクロースのモデルとなったローマ帝国時代のキリスト教司教として実在した人物(ギリシャ人)とされている。


 紀元三五二年十二月六日に老衰で没してのち、キリスト教正教会派(=ギリシャ正教、東方正教など)をはじめ多くの宗派で「聖人」として広く名を残している一人である。

 聖ニコラウスの生前の行いとして、貧しい者への匿名での施しや、冤罪による受刑者の救済、信仰の普及と順守等々が挙げられており、とりあえず簡潔にまとめると「正教会のスーパースター」と捉えておけば間違いないと思う。


 伝説的善行から子供や女性、弱者の守護聖人とされているが、海運の守護も担っていたりするので、特にヨーロッパの海運国オランダをはじめとするゲルマン系国家(ベルギーやスイス、オーストリア、ドイツ等)では広く親しまれている。


 クリスマスイブ(十二月二十四日)の夜にキリスト教圏の多くの国と地域では子供たちにプレゼントが配られるが、これらの一部ゲルマン国家では聖ニコラウスの日(命日)に子供たちにプレゼントジャッジが下されるそうだ。

 ジャッジなので、当然良い子しかプレゼントは貰えない。

 悪い子は、聖ニコラウスが引き連れている悪魔的風貌の「何だか分からないが一応妖精の一派らしい怖い顔をした老人」クネヒト・ルプレヒトが棒でお尻を百叩きの上、袋に詰め込んで攫っていくという。

 文字どおり、飴と鞭の使い分けがこれ以上ないほど明確で容赦ない「子供のトラウマ一大イベント」が行われるのが慣習らしい。


 ついでに、攫われた「悪い」子供は袋詰めのまま森に置き去りにされるという。冬のこの時期、北緯約四十七度に位置する「黒い森シュヴァルツヴァルト( in ドイツ例)」なんかに置き去りにされたら、放っておいて凍死する……わざわざ、聖ニコラウス直々に手を下すまでもないという、そういうところはやけにリアルな設定がゲルマンらしいっちゃ、らしい(苦笑)


 一応、良い子への元祖プレゼントは果物やナッツだったらしい。

 うーん、微妙。

 寒い時期には果糖と脂質が大事という事だろうか。それとも、これらを材料にシュトーレンやパネトーネ、ミンスパイなんかを各自手作りしてクリスマスの準備をするようにという現物支給なのだろうか。

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