十月二十日 世界骨粗鬆症デー

「世界から骨粗鬆症こつそしょうしょうによる骨折をなくす」ことを目的に制定された国際デーの一つ。

 平成八年(一九九六年)十月二十日に英国骨粗鬆症学会が発足したことに由来する。翌年には国際骨粗鬆症財団(IOF)が活動を引き継ぎ世界規模で啓蒙活動を展開している——とのことだ。


 骨粗鬆症(略してコツソ)とは、骨の強度が低下することで骨折しやすくなる病気のことである。

 つまづいて手をついたら折れた。転んだら折れた。くしゃみをしたら折れた。そういう事例は後を絶たない。

(因みに、コツソは公益財団法人骨粗鬆症財団公式の略式表現である)


 コツソになる原因は一概には言えないが、高齢者ほどリスクが高いというのは一般的に認知されている。栄養不足や運動量の低下、ホルモンバランスの乱れ、過度の飲酒やタバコの摂取等挙げだしたらキリがない。

 取り立てて日本人に限定すると、圧倒的なカルシウム不足であるらしい。

 タンパク質や糖質、脂質、ビタミン、ミネラル類等は十分すぎるくらい摂取しているそうだが、骨粗鬆症財団のデータによればカルシウムだけが決定的に足りていないという。(カルシウム飢餓なんて表現されてるゾ)


 一因を挙げると、そもそもカルシウムは吸収率の悪い栄養素の一つである上、特定の食品以外にはあまり含まれていない成分だからとされている。(成人の場合、だいたい摂取量の二〇〜三〇%の吸収率)

 欧米などでは習慣的に乳製品をよく口にするし、水にも多量のカルシウムおよびマグネシウムが含有されていたりする(いわゆる硬水というやつ)。

 その水で育った野菜も相対的にカルシウム量が多いのだが、かたや日本の水は基本的に軟水が多く(関西より関東の方が硬度は高いが、それでも軟水にしたら高めという程度)、また日本人には乳製品を効率よく分解する酵素を持っていない人が一定数いるため、不足しがちということらしい。

(牛乳やヨーグルト、ヨーロッパの天然水でお腹が緩くなる人はまさにこの例に当てはまると言える)


 そう言われると、日本人の大半が骨粗鬆症予備軍ということになってしまう……。


 とりあえず健やかな人体形成には血中のカルシウム量を一定に保つ必要があるという。

 足りない分をどう補っているかというと、骨からカルシウムを失敬しているらしい(マジか)

 だから、骨密度が低下すると骨折リスク以外のリスクも漏れなく高まるのだそうだ。(血中のカルシウム量が低下すると心臓への負担が半端ない)


 厚労省によると、吸収率の悪いカルシウムの一日の摂取目安は成人男性でおよそ七〇〇〜八〇〇ミリグラム程度、女性で六五〇ミリグラム程度必要なのだが、予防、治療となるとおよそ二倍量となる一〇〇〇から一五〇〇ミリグラム程度必要になるという。

 一応、二〇二〇年度の日本人食事摂取基準(厚労省資料)に目を通したが、男女ともにカルシウム摂取量が圧倒的に足りてないことだけは理解した。

 参考程度に、乳製品の他、大豆製品、魚介類、海藻類、野菜を意識して摂取すべし、とのことだ。(海藻類、野菜はカルシウム吸収に欠かせないビタミンD要員)

 一日のカルシウム摂取上限は二五〇〇ミリグラムとされているが、牛乳毎日二リットル以上飲む成人は気を付けてね、という感じの分量だ。


 あとは適度な運動と一日三十分〜一時間程度の日光浴を欠かさす頑張ろう。

 骨に適度な負荷を与えると、骨がマイナス電気を帯びてカルシウムと結合しやすくなり、日光(紫外線)に当たると人間はビタミンDを生成できる。

 明日のコツソ回避は今日にかかっているというわけだ(極論)

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