九月二十八日 パソコン記念日

 日本電気株式会社(現、NEC)よりPCー8001(PCー8000シリーズ)が発売された日。昭和五十四年(一九七九年)のことだ。


 パソコンと言えば、もちろん「パーソナルコンピューター」の略だが、そもそも「パソコン」という言葉が普及したきっかけが、このPCー8001の登場にある。

 それまでは「マイクロコンピューター(マイコン)」と呼称されるのが一般的だった。

 幅四三〇ミリ、奥行き八〇〇ミリ、画面本体キーボード一体型というなかなか嵩張るフォルムだが、当時は画期的なコンパクトサイズであり、価格も十六万円代というリーズナブルさが売りだった。(当時マイコンはだいたい二十万円超えが一般的だった)

 日本におけるパソコンブームは、このPCー8001から始まったといっても概ね差し支えないだろう。


 少し遡って昭和五十年(一九七五年)、アメリカでマイクロソフト社が設立される。ご存知、ビル・ゲイツ氏は当時まだ大学生だった。


 それまでのコンピューターはとにかく沢山のトランジスタを組み合わせて制御や演算をする仕組みだったが、その沢山のトランジスタを一つの小さなIC(集積回路)に集約し、お手軽小型化に成功したのち、そのお手軽小さなプロセッサにプログラミング言語=BASIC(従来、プログラミング言語を処理するコンピューターはメガ盛りサイズだったんだ)を搭載させて大成功したのがマイクロソフトだ。(非常にばっくりとした説明)


 PCー8001は、そのマイクロソフトからライセンスを取得し、BASICを搭載した日本初のコンピューターだったわけである。

 パソコンが登場して半世紀足らず、凄まじい進化を遂げて、もはや生活に欠かせないツールになった。その記念すべき最初の一歩である。

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