九月二十六日 台風襲来の日
過去、甚大な被害を日本列島にもたらした台風の多くは、九月に集中しているという。
昭和二十六年(一九五一年)より統計開始した気象庁のデータと付き合わせても、年間を通して発生数、接近数、上陸数は八月から九月に集中しているが、その中でも歴代上位に入る有名な台風は概ね九月に集中している。
一例を挙げると、昭和二十九年(一九五四年)の台風十五号「
この台風によって沖で座礁した洞爺丸、そして青函連絡船が沈没し乗客乗員合わせて千七百名以上が死亡した。
昭和三十三年(一九五八年)の台風二十二号「
この記録は統計開始以来、洞爺丸台風に続き歴代三位の犠牲者数である。
翌年、昭和三十四年(一九五九年)の台風十五号「伊勢湾台風」——紀伊半島から東海地方を抉り上がり、五千名を越える犠牲者を出した、統計開始以降歴代一位の猛威を奮った台風だ。(中心気圧の低さも歴代二位を記録している)
これらの台風襲来日が、奇しくも九月二十六日だったことで、九月二十六日を「台風災害に備える啓発」の意味を込めて「台風襲来の日」に制定したという。
ちなみに、気象庁の公開している「上陸時気圧の低かった台風ランキングトップテン(五位以下同立)」のうち、実に七個もの台風が九月に襲来している。
歴代一位は、昭和三十六年(一九六一年)襲来の「
殆ど伊勢湾台風と変わらない規模と勢力で四国・近畿地方を直撃し、各地で気圧、風速、高潮の記録を更新している。それでも幾ばくか被害が抑えられたのは、伊勢湾台風の時の教訓と備えが効いたからと評価されている。
余談として、観測開始が昭和二十六年からなので参考記録となるが、第二室戸を上回ったのが昭和九年(一九三四年)の「室戸台風(中心気圧、九一一・六hPa)」及び昭和二十年(一九四五年)の「枕崎台風(中心気圧、九一六・一hPa)」だ。
やはり、いずれも九月襲来である。
今年も台風が二個まとめて接近中だ。今一度、身の回りの備えを確認したい。
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