九月十五日 老人の日(旧敬老の日)

 本来なら九月十五日は「敬老の日」だったが、祝日法の改正(ハッピーマンデー制度)により九月の第三月曜日に移動したため、空いたポジションが名称変更された日。


 内閣府公式サイトによると、「高齢社会対策大網」という高齢社会対策基本法に基づいて制定されている。ばっくりとした内容は次のとおりだ。


 一つ、エイジレス社会やろうぜ。(年齢制限撤廃するから、やる気出してじゃんじゃん働こうぜ)

 二つ、今から老後に備えた人生プラン起こそうぜ。(地域差無くして老後の生活基盤整備してこうぜ)

 三つ、最新技術駆使して前向きに高齢社会やってこうぜ。


 これらを統括して「老人の日・老人週間」キャンペーンと銘打って啓発運動を展開しているもようだ。働く世代の一人として口元の笑みが引き攣る感じが否めない。

 生涯現役という言葉が骨身に染みる。(骨身に染みすぎて腰痛がする)


 ともあれ、「老人の日」と「敬老の日」の違いを簡単に挙げておくと、敬老の日は祝日。老人の日は啓発という感じだ。別に休みでもなんでもない平日である。


 しかし、この「老人の日」という名称は、どうやら一周回って戻ってきた表現のようである。

 戦後すぐの昭和二十二年(一九四七年)に兵庫県発信で「としよりの日(高齢者を大切にしようという呼びかけ)」から始まり、一九五〇年代に「老人の日」に改称され、昭和四十一年(一九六六年)の祝日法改正に伴い「敬老の日」として国民の祝日に昇格し、平成十三年(二〇〇一年)のハッピーマンデー制度で敬老の日が飛んでったので、九月十五日は再び「老人の日」になった——という経緯があったりなかったりする。


 もう少し、表現はなかったのだろうか……。一周回って、「老人の日」に変わるやる気の出る言葉を一般公募してみたら、きっと面白い案が集まったんじゃないかと思ってみたりもする。

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