九月八日 時代は「明治」になりました
慶応四年(一八六八年)九月八日。
この日に時代は一つの節目を迎えて新しい時代へと移り変わった。
天皇一世に元号は一つとする「一世一元の制を定めた
さて、この「明治」という元号は、古い時代の中国の占い本が元になっているそうだ。
正式には「
六十四卦と呼ばれる「経」とその解釈「十翼」から成り立つ。
陰陽の交わり(
現存している「易経」の一つは清家文庫が所蔵しているが、それでも魏の時代に引き継がれた写本の写本である。書いてあることが難解すぎるため、わざわざ注釈を付けてくれた偉い人がいたようだ。
(それが
易経の写本(それでも十分貴重資料!)は、写真だけなら京大の貴重資料デジタルアーカイブで見ることができる。この本の「十翼」に属する「説卦伝」の一説に「明治」が隠れている。
それが「聖人南面而聽天下、嚮明而治、蓋取諸此也。」という文言だ。
「聖人は南に面して天下を聴き、明に
天下を治める人間が南に
京都の右京区、左京区も実際の立地は左右が反転しているが、これも「南面思想」に由来する。そして、大抵の神社もまた社殿は北を背にして南に正体するか、西を背にして東に正体しているが、根底に流れる考え方には同じ匂いがするというものだ。
これから天下に君臨する「明治天皇」治世の並々ならぬ新時代を「良い時代にしたい」という意気込みが感じられる元号だなと、時代を超えてしみじみ思う。
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