八月五日 山形花笠まつり

 例年八月五日から七日にかけて行われる東北四大祭りの一つ「山形花笠まつり」。

 紅花べにばなをあしらった笠を手に花笠音頭とともに町中を練り踊る姿はとても華やかだ。


 紅花——古くは末摘花すえつむはなと呼ばれたこの花が山形県花となったのは昭和五十七年(一九八二年)のことだという。あざみの仲間である紅花が山形にやってきたのは、今からおそよ千八百年ほど前、原産国である中近東からシルクロードを経てもたらされたそうだ。


 さて、この花笠まつりだが、そもそもはどうやら町おこしイベントの一環としてスタートしたようだ。

 昭和三十八年(一九六三年)に蔵王開山一二五〇年を記念して行政と新聞社がタッグを組んだ。当時は「蔵王夏祭り」と称していたようである。


 そんな地方の一祭りに転機が訪れたのは昭和四十五年(一九七〇年)のことだ。大阪万博にて民俗芸能の一つとして太陽の塔の前で踊りを披露したところ、めちゃめちゃ受けた。これで一気に全国区の仲間入りを果たす。


 気になる今年の花笠まつりであるが、予定・会場を変更しつつどうやら開催される見通しである。

 スタジアム観覧は県民に限られるが、ステージでの演目はライブ中継が予定されているそうだ。運営、実行委員会のギリギリの調整と決断が偲ばれるというものだ。遠方の地からエールを送りたい。

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