七月二十七日 スイカの日

 西の瓜と書いて西瓜。命名には諸説あるが、日本に西瓜の原型がやってきたのは中国経由であったという。時期ははっきりとしていないが、おおよそ室町時代あたりのことらしい。

 この頃の中国は、欧米より一足先に「大航海時代」を迎えており、アフリカからキリンやシマウマなど連れて帰ってきたりと、色々楽しそうである。(その後、「カネかかるわぁ〜」という理由で大航海時代を卒業したり、しなかったりする)


 ちなみに、現在我々が目にする西瓜の原種は南アフリカが原産であるらしい。中国には十世紀ごろにウイグルから原種が伝わり、アフリカでは今から六、七千年前には栽培されていたというから驚く(諸説ある)。


 水分含有量九割を誇る「ほぼ水分」であり、リコピン、シトルリン、カロテン、ビタミン各種、鉄分、リン、カリウム、カルシウム等々を含む西瓜は、汗をかくことで失われるミネラルと水分を補給するにも適している(塩をかけると効果大)。

 まさに夏の風物詩であり、縦縞模様が綱のように見えることから日本では「夏の綱」——七二なつ二七ツナから派生して、七月二十七日が「スイカの日」に制定されている。


 この、少し無理のある語呂合わせが、いつ制定されたのか明確に記された記事が出てこないのだが、縞々スイカが生産され始めたのは昭和に入って以降の話で、冷蔵庫にすっぽり入る小玉スイカが登場したのが昭和三十三年(一九五八年)頃だという。

 日本食糧新聞によると「スイカの日」を制定したのは全国のスイカ愛好家だというが、他説ではスイカ生産者となっていたりする。いずれにしても「スイカの消費増大を促す」目的でスイカの日を制定していることを考えると、少なく見積もっても制定は昭和三十三年以降の話なんだと推察される。


 おそらくは「任意の民間団体」による「PRキャンペーンの一環」であり、なおかつウェブ上に情報が載らないということは、制定された頃はまだインターネットの普及が進んでおらず、代表サイトも存在しなかった時期と考えるのが妥当だろう。

 日本で最初のホームページ開設は平成四年(一九九二年)のことだというから、やはり昭和三十三年以降、平成四年以前の範囲のどこかと仮定しておく。

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