七月十六日 アポロ十一号が月へ行った日
アポロ——ローマ神話における太陽神の名を冠した有人月宇宙船、その十一番目の機体が月へ向けて世界で初めて打ち上げに成功した日。
アメリカ合衆国フロリダ州メリット島に造営されたケネディ宇宙センターから無事に発射されたのは、昭和四十四年(一九六九年)七月十六日、現地時間十三時三十二分のことだ。
司令船、機械船そして実際に月面着陸を果たした月着陸船の三段階構成であった本機は打ち上げから三日かけて月へと到達する。
「イーグル(鷲はローマ神話における最高神ユピテルの象徴鳥であり、ローマ帝国の国鳥)」と命名された月着陸船は二人乗り仕様だった。
アームストロング船長とオルドリン操縦士の月面ホップステップと記念撮影はあまりにも有名だ。記録によると彼らは実に二十一時間半もの間、月面に滞在していたそうである。現在残っている写真は選び抜かれたベストショットだったと理解しておく。
ちなみに、二人を回収して地球へと帰還するミッションを託された司令船にはコリンズ操縦士が待機しており、二人が月物質の採取や記念撮影に勤しんでいる間、ひたすら月の軌道上を周回していたそうである。
この時代、米ソは冷戦真っ只中である。国の威信をかけた一大国家プロジェクトだったことは間違いない。
第三十五代アメリカ合衆国大統領ジョン・F・ケネディ(当時)は一九六〇年代中に人類(というかアメリカ人)を月へ送って無事に戻って来させるという旨を大々的に公約していたので、ギリギリ期限内で有言実行できたというわけだ。
この時持って返ってきた月の採取物は、翌年の大阪万博で鳴り物入りの展示物となり人気を博した。
月の石を見たさに会場であったアメリカ館は連日長蛇の列となり(待ち時間の長さで体調不良者が出たほどだ)、開催期間中に国家レベルで交渉が持たれ、小さい月の石をアメリカ館から借り受けて日本館でも展示を始める措置がとられたのだが、その対応が不公平だとかえって不評を被ったという話が、あったりなかったりするのは余談である。
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