七月十五日 ファミコン発売日

 昭和五十八年(一九八三年)七月十五日。

 任天堂よりファミリーコンピューター(略してファミコン)という名で家庭用ゲーム機が発売された。

 ライトベージュと葡萄色えびいろのツートンカラー、本体の両横にカセットされた二組の有線コントローラー——何もかもが懐かしいが、当時は近未来がやって来た! と思うような画期的な娯楽遊戯だった。


 発売当初のゲームソフトはわずか三種類。

 任天堂といえばマリオと答える人が圧倒的多数を占める人気だが、当時はまだ存在しなかったのである。(マリオブラザーズの登場は二年後を待たなければならない)


 我が家ではファミコン禁止令が出ていたので(主に私が宿題放り出してゲームに夢中になるから)、宿題をやるという口実で友人宅に遊びに行き、一緒にプレイしたのも懐かしい思い出だ。

(家に帰ると、なぜか遊んでいたことがバレていて説教コースというルーティーンだった。懲りない方も懲りない方だ)


 プレイ中にカセットと本機の接触不良でデータが飛ぶことも画面が崩れることも、金属部をふーっと吹いて復活を試みるのも、ファミコン世代あるある行動である。

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