七月二日 半夏生(はんげしょう)

 半夏生。

 夏至から数えて十一日目の七月二日から七夕あたりまでの五日間を指す、昨今では太陽黄経が百度の時と定められている季節の変わり目を示す言葉だ。梅雨の終わりの時期である。


 田植えを終える頃合いであり、夏本番に向けてしっかりと体力を付けるためにも、関西では半夏生にタコを食べる習慣がある。(しかし、よくよく考えるとたこ焼きに始まり年がら年中何かしらタコを食べている気がするのだが、あまり気にしないことにする)


 この時期、サトイモ科の植物「カラスビシャク(別名、半夏はんげ)」が育つことが由来とする説がある。葉っぱの半分が白く化粧をしているように見えることから付いた名前だ。

 乾燥させたものは生薬しょうやくになる。おしゃれな言い方をすればハーブの一種だ。

 吐き気に効く成分が含まれるため、悪阻つわりがひどい妊婦などにも処方されたという。また、サポニンを多く含むためコレステロール吸収抑制にも効果があるそうだ。


 ただし、シュウ酸カルシウムを多く含むため生食には向かない。少量でも口に入れると酷い灼熱感とともに口内が腫れ、息が吸えなくなるらしい。(心構えが全く無く激辛物を食べたような感じだろうか?)

 症状がひどいと最悪死に至るそうだから、くれぐれも近所で見つけてもパクッといかないようにしてほしい。(日本全国津々浦々、割とどこでも生えているそうだ。畑では雑草として生き生きしている)


 その昔、半夏生には天から毒が降ってくると恐れられ、井戸には蓋をされたそうだが、湿度気温とも高い季節ともなれば、やはりカビや食中毒には十分に気を付けるに越したことはないだろう。冷蔵庫が大いに活躍する季節である。

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