2021年7月編

七月一日 郵便番号記念日

 七月一日は割とメジャーな記念日が密になっているのだが、数ある記念日の中で、あえて「郵便番号」を取り上げたのは、理由がちょっとクスッとしてしまうからだ。

 日本で郵便番号制度が開始されたのは昭和四十三年(一九六八年)七月一日からである。

 伝統的に宛先には住所と受取人の名前を書いて送れば手紙が届くアナログシステムを続けてきたのだが、手書きの弊害に配達員は随分と頭を悩ませたのだろう。


「字のクセが凄いんじゃあ」

「何書いとるか読めん」

「住所が幻ぃ〜(誤字脱字)」


 私の手書き文字もそこそこクセが強い。きっと黒ヤギさんに託したら読まずに食べられてしまうことだろう。


 冗談はさておき、実際問題として戦後の第一次・第二次ベビーブーム以降、住戸の数も圧倒的に増えたという点も配達困難の一因であったと考えられる。

 結果、誤送防止という目的で、三桁ないし五桁の郵便番号が導入されることになったそうだ。(どれだけ郵便が迷子になったのだろう。現場の悲鳴が聞こえてくるようだ)


 導入当初は、都道府県の数を基準として百の地域に番号が割り振られることになった。

 起点となったのはやはり物量の多い東京だった。イチゼロから始まる東京を南下するごとに数字が大きくなり、沖縄までたどり着いたら、今度は大阪から分岐して北陸から新潟、東北、北海道と北上していくという構図はおそらく当時の鉄道網の状況にもよるのだろう。


 北海道に至っては、九九が割り振られた後は〇一スタートという二桁縛りゆえの面白現象が起こっている。


 二桁で都道府県を表し、残り三桁で管轄する郵便局を記していたそうだが、これが現在では七桁にまで増えている。

 昭和世代にしてみたら七桁は最近導入したような感覚になるが、実際には平成十年(一九九八年)の改正であったと今更ながら、よる年並に衝撃を受ける。

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