六月三十日 夏越しの大祓

 その昔、一年は六月と十二月で区切られていたという。

 一年で二歳、歳をとることになる計算だ。「数え」という考え方が一般的だった世代には何ら違和感のないことだろう。


 その一年の最初の区切りが六月の晦日みそかである。一年の区切りには伝統的に罪穢れを払う儀式が神道にはある。夏ならば夏越なごしの大祓おおはらい、冬ならば年越しの大祓と呼ばれている。


 日常生活を営む上で知らず知らずに犯している罪や身についた穢れを祓うために、神社の参道には大きなの輪が設置されている。大祓の祝詞を唱えながら歌を詠み、八の字に三回、左右左と巡って祓うというのが作法だ。

 例年、私もこの時期には産土うぶすなさん(私の場合は天満宮)に足を運んで半年溜まった垢の如しケガレを祓ってもらっている。

 本音は、伝統的に紙と竹で出来た団扇を貰うという志の低い目的がある。昔ながらのごくありきたりな団扇だが扇ぎ心地が抜群に良いのだ。夏越しの祓歌も載っているので、ある意味カンペでもある。(実に気が利いている)


 とにかく、本日で無事に半年が過ぎたことになる。後半戦に向け皆々様もこれから迎える暑い日々、どうかご自愛くださいますように。

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