　握らずにコメの上に種々様々な食材が彩を添える一品料理、ちらし寿司。地方によって呼び方は様々なようだが、発祥はどうやら岡山県にあるという。

　天和（てんな）二年（一六八二年）六月二十七日、当時の岡山県は備前国であった。藩主、池田光政の命日とされている日だ。

　このお殿様の時代、岡山県は大洪水で被災した際に倹約のためという名目で藩内では「一汁一菜」が推進されたそうだ。

　おそらく皆々様心に思うことがあったのだろう。

　何とかして法に触れないよう食事に工夫を凝らした結果が、コメの上に具材を散らすというニューノーマルだった。

　楽しい倹約生活は、みんなで渡れば怖くない。

「具材盛り盛りやないかい！」と突っ込まないあたりが岡山らしいような気がしなくもない。

　とりあえず、我が家の夕飯も本日はちらし寿司になる予定だ。

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