六月二十日 近代小説の始まりの日
カクヨムに身を置く以上、無視をしてはいけない日、その七。
明治二十年(一八八七年)六月二十日、言文一致(口語体)で書かれた
いわゆる古典文章(文語)が確立されたのは平安時代の頃とされているが、文章としての言葉遣いと会話としての言葉遣いは時代を下るにつれ、大きな隔たりが出来ていく。
それが明治期に入って「いや、もっと分かりやすい日常的な言葉で書こうや」という運動が活発になり、こんにちでは「浮雲」は時代の先端を走った代表作と位置付けられている。
もっとも、書いた本人は幾分消化不良気味であったようだ。
無名作家であることを自覚していたからか、当時活躍していた小説家、評論家、劇作家など多彩な肩書きを持つ坪内逍遥の本名を使って「浮雲」を発表した上、印税の半分を逍遥に渡すことでお茶を濁したりと少々小賢しい真似が鼻に付く。(世渡り上手とも言える)
二葉亭四迷とは、「くたばってしまえ」の訛りから派生しているとする説は、個人的なツボだ。実に清々しい開き直り方であると思うし、ネーミングにセンスが光っていると思う。
何にせよ、いわゆる我々の身近に存在する小説の原型は、四迷の「浮雲」から怒涛の如く派生して発展したのだと思えば、この人も間違いなく時代の寵児だったと言える。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます