六月十八日 日本最古のおにぎりの化石が出土したよ
昭和六十二年(一九八七年)六月十八日、石川県能登半島でカッチカチの三角形の秘密だよ〜という小さな塊が出土した。弥生時代中期のものとされる杉谷チャノバタケ遺跡から発掘されたこの塊を調べると、どうやら炭化した米らしいと判明した。
若干いびつな円錐形をした米の化石——(ちまきっぽいとも言える)。
いずれにせよ人為的に作られたと思しきフォルムであることは間違いない。
おにぎりか、おにぎりだな。
そんな時代から存在していたのか、おにぎり(あるいはちまき)。
もっとも食用というよりはお供物と捉える方がしっくりとくるが、何にせよ米を握っているのだから、おにぎり——ないしちまきだ。
おにぎりを三角形に象るのは主に関西以東のようだが、これは一説によると山を模しているとか。もし供物であるなら、それはおそらく儀式として(山の)神々に捧げられたものなのだろう。
つまり、おにぎりは神だ(曲解)。
因みに、伝統的に畿内のおにぎりは「俵形」が主流だ。コンビニおにぎりは全国共通三角形だが、お弁当用に握らせたら年季の入った根っからの畿内育ちは無意識に俵を作る(年配層に多い現象)。
かくいう私の幼少期の弁当にも俵形のおにぎりが鎮座していた。おにぎりは箸で摘んで食べるものだったから、その方が食べやすかった記憶がある。
三角形が無かったわけではない。古い話だが、曽祖母の受け売りで三角形は弔事用だったと記憶している。(おでこの三角形と覚えていた)
つまり、おにぎりは仏だ(曲解)。
何はともあれ、おにぎりは日本人のソウルフードであることに違いはない。俵だろうが三角だろうが、神だろうが仏だろうが、ありがたいものに変わりはない。お残しはあきまへん。
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