五月十六日 性交禁忌の日

「五月十六日にセックスすると最悪、死ぬで」と、江戸時代のエロ本に書いてあるらしい。

 まじか。大真面目に言ってるのか。


 出典元は「艶本枕筥つやほんまくらばこ」なのだが、引用元は「医心方」という朝廷にも献上された全三〇巻からなる医学書だという。

 まじやわ。大真面目やったわ。


 さまざまな身体に関する当時の医学療法が掲載されている書物なのだが、その中に堂々と「房内篇」という項目がある。

 良い子のカクヨム上、詳細は差し控えるが、一説によると、気持ち良くなる営み方、長生きするための営み方等々が、つらつら綴られているそうだ。気になる諸兄におかれては、各々グーグル先生に聞いていただきたい。


 さて、書籍によれば、元々は古代中国の陰陽思想に由来するという。

 男性が陽の気、女性が陰の気を持つとされ、子供は陰陽の気の交わりによる賜物というわけだが、五月十六日というのは、その気の巡りが悪い日とされているそうだ。

 こういう、物事を行うには向かない日を「往亡日」といい、不吉であるとされた。まあ、子供のことを考えるなら縁起の悪い日は避けたいものだ。


 もっとも、現代では半ば都市伝説的な扱いなので、気になる人だけ心の片隅に留め置いていただければ幸いである。

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