五月十日 地質の日

 地質——それは即ち、四六億年前に地球が誕生した時から刻まれてきた大地の歴史、或いは記録と読み解いて支障はないだろう。

 例えば、自然豊かな景観、温泉、資源という目に見える恩恵がある一方で、地震や火山の噴火、斜面の崩壊、崩落といった予測の難しい災害を被ることもある。

 身近な存在でありながら、その実態はよく分からない。だから理解を深めようじゃないか、という目的で平成十九年(二〇〇七年)に地質学の関連団体によって制定された。


 日本で初めての測量地図を作ったのは伊能忠敬だが、日本で初めての広域地質図を作ったのは、アメリカ人地質学者ベンジャミン・スミス・ライマン博士だ。

 彼は明治六年(一八七三年)に、クラーク博士より一足早く北海道へやって来た。そして、およそ三年かけて道内を調査し地質図を刊行したのが明治九年(一八七六年)五月十日のことだった。

二百分の一1/200」スケールのそれは、「日本蝦夷地質要略之図にっぽんえぞちしつようりゃくのず」と呼ばれ、現在、北海道大学附属図書館が所蔵している。

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