四月十六日 ボーイズ・ビー・アンビシャス・デー

「少年よ、大志を抱け」の名言でお馴染みクラーク博士が、名言を残して北海道を去って行った日。


 この時の教え子には、のちの旧五千円札の顔、新渡戸稲造にとべ いなぞうや港湾工学の父、広井勇ひろい いさみ。北海道水産業の発展に尽力した伊藤一隆いとう かずたかなど錚々そうそうたる少年たちがいたという。

 あまりにも有名な言葉だが、これは抜粋だ。

 クラーク博士は、こう言った。


「Boys, be ambitious like this old man!」

 少年たちよ、大志を抱け。この年寄り(私)のように。


 さすが、アイアムナンバーワン精神のアメリカ人。サラッと自己評価の高いところは、現代日本人も大いに見習うべきだろう。


 しかし、帰国したクラーク博士の晩年は、苦難の連続だったようだ。

 起業したものの、会社の資産を横領・持ち逃げされ倒産。身内による泥沼の訴訟裁判に巻き込まれ、体を壊し、失意のうちにこの世を去った。

 享年、五十九歳だった。

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