第2話転生しちゃったよ
眩しい光に包まれ、目を開けてみると知らない天井が視界に映った。
「あう?」
ここは…どこだ?
思ったように言葉を出せない。
本当にアスランさんが言ったように転生したのか?しかも辺境伯とやらに。
俺は周りを見渡そうと思い、体を起こそうしたがそれは叶わなかった。
仕方なく目を動かし周りを見回した。
広いな。これは。
ここの部屋は1人で使うには大きく過ぎるほど広くて、白を基調とした金色の模様が入っている。
その中心には俺が寝転がっているベットがある。ベットの右側には本棚があり、大量の本が置かれている。
左側には窓、正面には鏡が取り付けられている。仮に転生していたとしたら今、俺がどんな姿をしているか見てみたい。
美少年かな?それとも豚みたいな容姿をしているかも?
自分の姿を確かめに鏡の前に行こうとしたが
「あううあうううああっあ!」
(起き上がれないんだった!)
起き上がれないことを忘れており、結局鏡の前に行くことは出来なかった。
その後も鏡の前に行こうと頑張っていると、ドアがノックされ、メイド服を身にまとった、黒髪ポニーテールの高校生くらいの女の子が入ってきた。
「シン坊っちゃま、ご飯の時間ですよ」
「あう!」
俺は返事をし、また、起き上がろうとするが
「シンお坊ちゃま、まだ首も据わっていないのに起き上がろうとしたらダメですよ!私、シルビアが奥様の所へ連れていきます」
そう言って俺はシルビアという人に抱っこされ、ドアをくぐろうとした時、取り付けられていた鏡を見た時、衝撃を受けた。
鏡に写っているのは、黒髪の前髪の一部が赤い幼いから少しふっくらしているものの成長すればイケメン間違いなしと言えるほどの美少年がここにはいた。
まあ、赤ちゃんになっていることはだいたい察していた。
そのまま家族と思われる人達が座っていて机には豪華な料理達が並んでいる。
その内1人、少し筋肉質の顎髭を生やした、ダンディーな人が口を開いた。
「おう、来たか。ありがとうシルビア」
すると隣にいる銀髪ロングの翡翠の目を持った美人な人も口を開いた。
「あら〜シンくん〜!今日も可愛いわね〜流石私の息子だわ〜」
言動からするとこの人は俺のお母さんなのだろう。
「よし、シンも来たことだし、食べようか」
俺はシルビアさんにお母さんだと思わしき人の膝に座らされた。
上を見て、顔を見ようとするが巨大な胸がそれを阻む。
でかすぎだろ!胸がデカすぎて顔が見えないとかやばすぎだろ!
そう思っていると。
お父さんと思わきし人が
「では、自然に感謝を!」
と言い、それに
「「「自然に感謝を!」」」
これは日本で言ういただきますみたいなものかな?
「シンくんは、ご飯の食べ方を覚えましょうね〜。はい、フォークとナイフ。って流石に今日は無理だよね〜」
俺はフォークとナイフを使い、目の前にある食べ物を切り分け、口に運んだ。
美味い!牛肉のような見た目からは想像できないほどの繊細な味、口に広がる旨み。
舌に乗せた瞬間に溶けるように無くなるほどの柔らかい肉質、日本でこんなに美味しい食べ物を食べたことがない。
食レポをしていると周りの人が驚いたような表情をしていた。
「ぬっ………なんでフォークとナイフを使えるのだ?」
「流石私の子だわ!理由?そんなもの天才以外にないでしょう」
あっ……そういえばまだ生まれたばかりなんだった。
「これは将来が楽しみですな」
「ええ、わたくしも楽しみですわ」
優雅に食事をしていた2人が口に出す。
「父上、母上もそう思いますか?私もそう思います」
父さんが言う。
「5年後の洗礼の儀が楽しみねー。
洗礼の儀?なにそれ。
ともかくこの世界にはやはりスキルなるものがあるみたいだ。死んでしまったあとアスランさんに選ばしてもらったときにこの世界にスキルがあることを確信した。
しかしよかった、スキルが存在するのなら、魔法も存在するはず。異世界転生は剣と魔法の世界とチートがセットだからね。
5歳になったら自分のスキルが分かるらしいし、勉強したりして洗礼の儀に備えよう。
僕は5歳になるまで必死に勉強し、英才教育なるもので魔法から剣までも叩き込まれ、5年が経った。
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