【PV2000突破!感謝】温情の断頭者が往く異世界冒険譚~異世界転生したので散歩します~(旧題 俺は歩いているだけで強くなる~異世界転生したので散歩します~散歩好き男の異世界冒険録)

モーリス

第一章 少年期編

第1話 死亡からの転生

俺は辻方 志津郎つじかたしずろうだ。趣味は散歩で一日の半分を費やすほど熱中している。


年齢は16で高校に通っているような年齢なのだが高校には行っていない。(入学はしている)なぜ通っていないのかだって?


冒頭で話してるじゃないか。俺は高校には行かず、散歩を毎日している。

小学校で登校していたのは最初の3年間と卒業式、中学校では入学式と卒業式だけしか行っていない。


おかげで、幼馴染からは毎日電話がかかって来ている。

幼馴染の名前は神谷 奈緒かみやなお

運動神経抜群の成績優秀。オマケに顔も美人でアレもデカイ。


中学校に入学し、1ヶ月経つと男子からの告白ラッシュが、毎日毎日続いていたらしい。

全部、「好きな人がいるので」と断ったらしいが。



先生に報告もしたらしいが

「君には申し訳ないが、私達にはどうもすることが出来ない」と、言われどうしようもないという。


本当にモテモテだな!

まあ、俺はそんなことに興味はないが。


え?なんでそんなことを知っているのかって?神谷から電話が毎日かかって来ているって言っただろ?

そんときに、こういう話をされるんだ。



今日も昼間まで散歩をし、家に帰っている途中、赤信号で止まっていると、突然、俺の横から少女が飛び出して行ったのだ。


え?


横からは運悪くトラックが走ってきていた。

どうする助けに行くか?

もう悩んでいる暇はない!助けないと!


俺は一瞬の葛藤を介し少女の元へ駆けた。


間に合ってくれ!


俺は過去で1番早いぐらいで走り、少女を突き飛ばした。

痛かったらごめんね。


よし、とりあえず少女は助けれたと思う。

後は俺がトラックを避けるだけだ。


トラックがどこにいるか横を見てみると案の定、目の前にトラックの姿が見えた。


あっ、オワタ…。

特にこの世界には未練はない。

親は生まれた時からいないし、強いて言うなら散歩をもっとしたかったな。と言うだけかな。


ドッ


僕はトラックに轢かれ

全身にものすごい痛みが襲いかかる。


痛い!熱い!

俺の周りには大量の血が流れている。


燃えるように熱い痛みも一瞬、次は猛烈な寒気に襲われた。


視界も霞んで何も見えない。体も力が入らなくなり俺は悟った。

(あぁ、俺死ぬんだな。短い人生だった。あばよ神谷)




ここは…?さっき俺はトラックに轢かれて死んだはずだよな?


トラックに轢かれて死んだと思ったら、宇宙みたいな空間に俺はいた。

だが、体の感覚がない。

僕は体を見ようと視線を下げてみるが、体がなかった。


視線を下げてみる。と言っているが正確には顔もない。不思議な感じだ。


そんなこんなでどれぐらいの時間が経ったのか、突然無機質な声がこの空間に響いた。


《魂の牢獄にて想定外の死亡者の魂を発見、原因解明します。原因は死の運命にあった者を助けたことです。創造神に処置を申請…申請中…申請中…成功しました。死亡者を神の間へ転移します》




え?神の間に転移?


てかだれよ。この無機質な声の人。


《転移を実行》


そう言うと俺の周りは白い光に包まれた。


光が収まり、その先にいたのは土下座をしている金髪ロングの美女だ。


「えっとー…どなたでしょうか?とりあえず土下座やめてください」


いきなり知らない人に土下座をされても困るったらありゃしない。


「そうだったね。わたくしはこの世界を創った創造神アスランよ。この度は誠にすみませんでした!わたくしの不手際であなたを死なせてしまいました。お詫びとしてなんでも致します」


えっと創造神アスランさん?

そんな人がこんな凡人な散歩好きな人の前に現れていいのかな?

しかもどういうこと?俺の死がアスランさんの不手際?自分で少女を助けるために庇い、死んだと思うが。


「えっ?俺の死がアスランさんの不手際でふか?」


「そうなのよ。君が庇ったあの少女は余程のことがない限り死ぬ運命だったんだよ。で、その近くに君がいた。少女は死ぬ運命だったため、他の人が助けないように洗脳といったらあれだけど、そういうのをかけていたんだけどね、自らを犠牲にして少女を助けようとする訳ないと思って洗脳を疎かにしていたの。その結果君が少女を庇い、死んでしまったの……。本当にすみませんでした!」


「ああ、はい。いいですよ」


僕はどう返事すればいいか分からず、そう返事した。あっちに特に未練がないこともあるが。


するとアスランさんが、困惑したような顔で言った。


「え?なんでそんなに落ち着いていられるの?もっと悲しむなり泣くなりすると思ったけど。その年だし「告白したかった!」とか言うと思ったんだけど、それはなかったわ」


「まあ、あっちに未練はないですからね。告白するような人もいなかったし…まず友達が少ない……」

女友達は神谷しかいなかったし。

そう言うとアスランさんが申し訳なさそうな顔で

「なんか、ごめんね。本題だけど君はわたくしに何を望む?望めること一覧をこういう人たちのために作っておいたから、これで決めて」


そう言って国語辞典の2分の1位の大きさの本を渡された。


こういう人たちのためということは俺と似たような人がいたのかな?


「俺以外にもいるんですか俺みたいな人」

「いるわよ。5年に1回くらいのかんかくで」


そうなのか。いいことをしった。


俺はアスランさんに渡された本を読んだ。

うーん多いなー。

最初の5個と最後の5個はこんな感じだ。


・お金

・食べ物

・大豪邸

・天才に生まれ変わる

・恋愛漫画の主人公になる

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

・総理大臣になる

・ロイヤルファミリーの一員になる

・天皇になる

・スポーツ万能成績優秀のモテ男になる

・異世界に転生する



普通だったらロイヤルファミリーの一員になるとか天皇になるとか選ぶと思うけど、俺は違う。異世界転生一択だ。


「異世界に転生する。でお願いします。」


アスランさんは待ってましたとばかりに声を明るくして


「本当にいいのね?いいのだったら、魔法全部使えるようにしてあげるとかしてあげるから、異世界を変えてくれない?実はその異世界わたくしの弟が創った世界で、不安定なのよね。まあ、断ってくれてもいいけど本当に異世界に転生するなら、弟が創った世界をかえて。お願い」


「いいですよ」

なんか軽く返事しちゃったけどまあいいよね

「え、いいの?魔物とかに殺されちゃうかもしれないんだよ?」

「はい、魔法とか使っていたかったですしね」

「…本音みたいだね。分かったこの本の中からスキルを選んで」


俺は本をまた渡され、その中から言語マスター、文学マスター、身体能力常時強化、魔法全適正、エネルギーマスターを選んだ。


「最初はこのスキルたちだけだけど条件を達成したりすると新たなスキルを入手することができるよ。で、転生するところはローデニア王国の辺境伯の家の長男よ。困ったことがあれば神の象にお祈りを捧げなさい。助けてあげるから。では、準備はいい?じゃあさようなら」


そういうとまた、俺の周りが光に包まれた。




「あう?」


あぁ、本当に転生したようだ。


この日、辻方 志津郎が辺境伯の家の長男に転生した時だった。

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