第4話 最初の友だち
「充電器、使う?」
「...神様は存在してたんだなぁ」
「ん、神様?」
「え...?」
「これくらいで大げさだよ」
...心が、読まれた......!?
まさか僕に話しかけてくれた神様が本当の超能力者だったなんて...!すごいすごい!
..........お、落ち着け僕。話しかけられたからって舞い上がっておかしいテンションになっちゃだめだ。...ふぅ、よし。冷静になれたな。ま、まずはお礼、お礼を言わなくちゃ。
「あり、がとうございます...」
やべ、しばらく声出してなかったから変なとこで区切っちゃった。ど、どうしよう、これが原因でいじめられたら。少し怖くなってきたな。
「いえいえ、どういたしまして。それより、顔色悪いけど大丈夫?」
あ、この人は優しい人だ。なんとなくそんな気がする。それじゃあ、少しおかしなこと言っても平気かな。
「えっと、あの、な、なんで、わかったんですか?」
「なんで?ああ、真っ暗な画面で何回も電源ボタン押しても、画面が表示されてなかったからそうなのかなって思ったんだ」
なるほど、だからなにも言ってないのに充電器貸してくてたんだ。この人優しすぎない?一周回って怪しいんだけど。
って、そっちじゃぁない。
「そのこともそうなんだけど、そっちじゃなくて、神様の方。なんでわかったの?」
「?思いっきり口にだして言ってたからだけど...。もしかして、無意識?」
思いっきり無意識だった。そんな恥ずかしいことを堂々と言うメンタルなんてないし。
...え僕そんなこと口にしてたの!?
「あ、あはは...。完全に無意識だったよ」
「これからは気をつけようね。そんなことより、なんか大事なことあるんじゃなかったの?」
大事なこと?なんだっけ。...........あ!忘れてた。人と話すのが久々で、話してることに感動して、忘れてた。
僕はイケメンくんから借りた充電器を使った。
「あ、そうだ。俺は花邑翠、君の名前も教えてほしいな」
「僕は霜月深雪。今更だけど、よろしく」
イケメンくん、もとい花邑くんは「こちらこそ、よろしくね」と返すと、隣の席に腰を下ろした。
まさかの隣の席だったらしい。正直ホッとした。女子や暴君が隣じゃないのは、幸先の良いスタートだろう。
充電が3%溜まったところで、スマホに電源を入れた。
(ま、間に合ったぁ)
プレゼントを貰い、きっちりガチャも回し終えた。
(よし、これで今日はもうスマホの出番はもうないかな。)
10%充電できたところで電源を落とし、充電器を返そうと思い、振り向いたときだった。
「あ”あ”?なんだテメェ、俺になんか用か?」
そこには、花邑くんとは似ても似つかない金髪の不良くんがいるのだ。机に足を乗せ、こちらをすっごく睨み、不機嫌そうにそう言い放ったのだった。
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