【28時間目】魔王様、呼び出しのお時間です‼︎


「はぁ〜〜なるほどね。一応能力持ちの人間がいるかもしれないからドラゴ◯レーダーを持っていったら案の定いたし、その上その能力持ちの人間が生徒会副会長と会計・書記だったと。いやぁ偶然って、怖いねぇ……」



放課後。

僕はと言えば先日の生徒会主導の大掃除においてとんでもない黒歴史を作ってしまったワケだが(正直僕自身も何してたか分かんない。

でもたまに人って自分でも何してるか分かんない時あるよね。多分、それ。それだよ)、今日こうして生徒会室に呼び出しをくらっている現状をかんがみるにおおよそ、その件についてのお叱りだろうなと邪推邪推もとい未来視をしているワケである。


ワケワケワケワケうるせぇよと思うが言い訳でもしてないと僕の自尊心プライドと人としての"何か"が傷ついてしまうので大目に見てほしい。


そして多めに僕をなぐさめてほしい。

…………なんちゃって。



いやほんとそういうこと言ってる場合じゃないのよ。

だって普通、ちゃんとした学校生活スクールライフ送ってたら生徒会なんてものは入らない限りお目にかかることなんて滅多にない(見るとしても朝会とかしかないよね?)じゃん。


それなのに入学一週間ちょっとで呼び出しって。

もう学校生活チェックメイトだよね。


終わりだよね。

オワタだよね。

カナダの首都はオタワだけど。

オタワにおったわ!てな!!


…………まあ、本来僕らの目的は別に充実した学校生活を送ることじゃないんだけど(でもぶっちゃけ送りたい)少なくともやっと僕の能力見つかった!って時にはい退学ですとか言われたらもうどうしようもないわけで………。



「逢魔様。すっげぇ悩んでるところ邪魔して申し訳ないのですが生徒会への呼び出しはなにも逢魔様の脱糞に次ぐ黒歴史を披露したことに対する叱責しっせきではございませんよ?」



「久しぶりに聖良の独白どくはく読みが見れて嬉しいけどそれはいったいぜんたいどういうコートジボワール?」




───生徒会室に続くこの長い道もそろそろ終わりが見えてきた頃、僕は呼び出しの真意を聖良に教えてもらった。


それによるとどうやら水原さんを経由して((あの水原さんもどうやら生徒会長の威厳には勝てなかったようだ。まさか僕たちの事をゲロってしまうなんて………まあ別に隠してはないし(そもそも信じられないような話でもあるし。それはそうとカッコの中にカッコ入れるのはどうなの?)結果オーライだから良いけど))僕らの話を聞いた生徒会長が感銘を受け、なんと向こうから協力を向こうから言い出してくれた、という事だった。


どうやらそれは事実だったらしく僕らが生徒会室の前に着く頃にはいつものメンバーもそろっていた。

軽い挨拶を済ませるとみんなでいっせーのーせで部屋に入ろうと画策かくさくする。


それはそうと、どうせなら一緒に行こうとか言い出してくれる人はいなかったの………。

案外仲悪いのかな僕ら………。



ギィィィィィ………。


学園によく似合う重厚じゅうこうな扉を開けるとやけに耳につく開閉音とともに逆光(まあ夕方だからそんなに強くないけどね)が僕らの目に入り込んできた。


思わず目を細める僕らの前に──彼女たちはいた。


てか逆光がいい感じに生徒会長の後ろから差し込むから神様みたいになっちゃってるよ。

まあ実際問題僕らからしたら神様みたいな存在なんだろうけど。


僕らが後光の攻撃に立ち止まっているとハジから生徒会会計・書記である二葉亭 逸華さんが「わざわざ来ていただいて感謝します」と歓迎してくれた。

彼女はやはり、というかイメージ通りの色んな書類に囲まれた机に座っていた。

この学園の経営うんぬんは知らないがどうやら割と細部まで生徒会に任されているらしい。

冒頭でもちょっと語ったとおり、どうやらこの学園の生徒会に嫌われると本当に学校生活が危うくなる気がする。

いや、学校生活どころかこの先の人生も危うくなる気がする……。


会計・書記の歓迎にともないあの変t……二葉亭 密華副会長も「よくきたな〜〜」と(主に僕の後ろに控える美少女軍団に熱い)視線をやると前に出ることをうながした。

逸華さんとはうってかわって副会長の机の上には分厚いマンガやらファッション雑誌が雑に積み上げられていた。


いやほんとこの人普段なにしてんの?

ちゃんと仕事してます?

まあでも副会長の仕事って良く分からないよね。会長の補佐とか言われてるけどそういう場面一回も見たことないよ、僕。

いや、多分だけど"縁の下の力持ち的なポジション"なんだろう。うん。多分。


僕が目を背けたくなるような副会長の惨状を勝手にうれいてるとまくし立てられる様に副会長にちょいちょい「早く前にでろや」と指を振られる。

慌てて素直にその指示に従い、前へ出ると生徒会長である黒瀬川 咲葉さんが目をかっと見開くと高らかに「黒瀬川学園生徒会室にようこそ」と叫んだ。


この人はやっぱちゃんとしてるのか机には様々な書類と用途の分からん物体が丁寧においてある。



生徒会長の荘厳そうごんな作業机を見るといよいよ僕らはこの学園の最深部に来たのだと理解する。


────僕らはついに来てしまったのだ。

この学園の最高決定機関トップオブトップ………"生徒会室"に………!!



☆やっぱ学園ものと言ったら生徒会、だよね!!──────



───────────────────────


【登場人物紹介】


●躑躅森 逢魔


魔王の息子で主人公。

着々と黒歴史を積み上げてきているがもはや慣れてきた。今度からは積極的に自ら暴走していこうとしているが最初のツッコミ役の看板は何処に行ったのだろうか。



●躑躅森 聖良


逢魔の幼馴染でお付きのメイドさん。

逆に逢魔と違って最近まともなボケもない。人は変わると言うが変わるのが早すぎるのではないかとツッコまれる事もないのはビジュアルの問題か。

美人は得だね!!



●その他の愉快な仲間たち


メンバーはもちろんいつもの冬火、さくら子、風花、杏子の4人。

一人一人紹介していくとバカみたいに文字数を費やしてしまうのでまとめられるように。

まあそもそもこの蘭ちゃんと読んでる人も居ないだろうしね………。



●二葉亭 逸華


私立黒瀬川学園生徒会会計・書記。

新キャラの特権としてよく自己紹介してもらうことにちょっと優越感を覚えているらしい。

まあでも本当に優秀だからバカにもできない。



●二葉亭 密華


私立黒瀬川学園生徒会副会長。

もはや変態として定着してはいるがその実、生徒会にいる時点でめちゃくちゃ優秀ではある……優秀では、ある。

ただ日頃の行いってのは大事だよねと言わざるを得ないほど逢魔たちのイメージは酷い。



●黒瀬川 咲葉


私立黒瀬川学園生徒会長。

優秀&優秀。文武両道だし才色兼備だし。神様がおふざけで作ったような人。あと声も良い。

でもギャグコメの御多分に洩れず多分扱いは雑になるだろうね……!

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