第18話 桂浜の決戦——巨大怪獣を撃破せよ! その⑩

 同時刻。高知県桂浜。

 ララと歌舞坂は恐竜型ロボの体内へと侵入していた。このロボットは宇宙船を変形させたもので、内部にブリッジが設置してある。

 口から飲み込まれた湯薄を救出したララは、歌舞坂と一緒に縮退反応炉の停止作業に取り組んでいた。3D映像の翠が指示をしている


「反応炉停止シークエンス開始します。モニター上の×××をタッチしてください。その後、その席にあるスロットルレバーをゼロ位置まで下げてください」


 翠の指示通りに歌舞坂が機器を操作する。

 全てのモニターは赤く点滅し始めた。


「操作はこれで結構です。後は自動で停止します」


 翠の説明を受けて歌舞坂はホッと一息をつく。同時に湯薄の意識が回復した。


「僕は……僕はどうなって? 怪獣に飲み込まれて……」

「今はその怪獣の腹の中だ」

「え? これ、まるで宇宙船の中みたいなんですけど」

「そう、ここは宇宙船の中なのだ」


 ララの説明に納得がいかない様子の湯薄だったが、歌舞坂が丁寧に補足説明した事で納得したようだ。そして、ララの存在に改めて気づき、頬を赤く染める。


「ところで……湯薄と言ったな。その……何だ、そんな全身タイツを着て恥ずかしくないのか?」

「ああ、これですね。最初は恥ずかしいって思いましたよ。でも、何と言いますか、男性的な部分をものすごく強調してくれるんで病みつきになっちゃって」

「強調?」

「そうなんですよ。女性用は胸を強調しますよね。胸のサイズが7段階アップするんです。この男性用は、全身の筋肉と股間のもっこりを7段階アップするんです。僕、本当はこんなボディビルダーのようなムッキムキの体形じゃないんです。もっこりの方もですけど」

「……」

「あの? ララ隊長?」

「何だ?」

「ララ隊長は、こういう筋肉とか嫌いなんですか?」

「嫌いという訳ではないのだが、あの、ボディビルダーの、裸で筋肉を見せてニカっと笑うアレがな。少々苦手なだけだ」

「そうなんですね。良かった。僕、嫌われているのかと思って、少し心配だったんです」

「気にしなくていい。だが、一つだけ付け加えておくぞ」

「何でしょうか?」

「私が嫌いなのは巨乳崇拝者とロリコンだ」

「ロリコンもですか」

「ああそうだ」


 ララの一言で顔面蒼白になった湯薄だった。

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