第13話 桂浜の決戦——巨大怪獣を撃破せよ! その⑤
「縮退反応炉だと?」
「おお! それは通称ブラックホール機関。ま、まるでガンバスターですね」
「歌舞坂」
「はい?」
「著作権に留意せよ。軽々しく他作品の用語を使用するな」
「はっ。それは重々承知しているのですが。何故か口から勝手に……」
「やはり奴の仕業か。あの馬鹿作者め」
「ララ隊長。それ、失礼なのでは?」
「かまわん。人のコンプレックスをずけずけと指摘しつつ、己の欲得ばかりを満たす悪行三昧が得意技なのだ。あの馬鹿者は」
「はあ……」
「ところで歌舞坂。突入の準備をしておけ」
「私がですか?」
「当たり前だ。アレには縮退反応炉が使用されている。暴走させると大規模な重力崩壊を発生させ、最悪の場合、小型のブラックホールが現出するのだ」
「そうらしいですね」
「それならば答えは簡単だ。内部に侵入して反応炉を停止させる。それしか方法はあるまい。それが貴様の仕事だ」
「はい?」
「怖いのか」
「もちろんです。それに……宇宙人の作ったロボットを停止させるなど、それが可能なのかどうかわかりません」
「心配無用だ。ナビゲーターを用意してもらった」
「ナビゲーター?」
「防衛軍の秘密兵器。他言は無用だ」
ララと歌舞坂の目前に、突如小柄な女性が出現した。
肩まである黒髪を三つ編みにしておさげにしている。華奢な体形で胸元は寂しい。
「
その唐突な出現に歌舞坂は腰を抜かしていた。
「あああ。あの、萩市に存在しているという絶対防衛兵器の方ですか」
「はい。そう考えてくださって結構です」
「私は三歳児の椿様がその絶対防衛兵器であると伺っていたのですが」
「絶対防衛兵器は、この大宇宙の創造神が遣わせた平和の使者。そのインターフェースは複数存在しています。私と椿さまはそのインターフェースの一つですが、別の個性であるとお考えください」
「はあ……」
翠の説明に納得がいかない様子の歌舞坂であったが、意を決したように翠を見つめた。
「行きます。翠さまも付いてこられるのですね」
「ええ。今は影……3D映像だけになりますが、あの縮退反応炉を安全に停止するためのお手伝いをさせていただきます」
「これは心強い。ところで、アレにはどうやって乗り込むのでしょうか?」
「ララ隊長におんぶしてもらってください」
咄嗟にララを見つめる歌舞坂であったが、ララは気まずそうにそっぽを向いていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます