生前の記憶
思い出せない物
私が歳をとるにつれて桜乃は色々と思い出したようだ。そして分かったことは平安時代からずっと日本にいるという事だ。なので日本史の大体の知っている。しかし妙なことが一つある。それは死因が全く覚えていないということだ。
会社帰りにいつものように名前を出していた。すると人と当たってしまった。
「…すみません。」
「ああ、大丈夫です。それよりも後ろにいる人って、死者ですよね。」
一瞬だけ背中をさすっていった。嬉しい反面怖かった。
「…はい。何かですね子供の時に会ってそれからずっと一緒なんですよ。何だか生前の名前が分からなくってですね。」
その人が恐ろしく青ざめていた。…なんか悪いことでも言ったっけな。
「ねえ桜…。」
桜乃は怯えていた。…うん。何かおかしい。
「幽霊は仮名でこの世で留めています。なので真名を思い出させると悪霊になってしまいます。…なのでそっとしてやってください。あ、えっと申し遅れました。私はこういうものです。」
…神社の人だったのか。
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