ねぇ、
架橋 椋香
ねぇ、
「ねぇ、お話しましょう?」
「いいけど、何を話そう」
「じゃあ、こうしましょう。
あるところに、隣国から攻撃を受けている王国がありました。その王国には、とても高い身体能力を持った工人の青年がいました。王さまは青年に、王国軍の将として国を守るため戦って欲しいと思っていました」
「うん、それで?」
「続きはこう。
王さまは青年をお城に呼び、こう言いました。
『貴君は素晴らしい身体能力を持っていると耳にした。その能力を生かして、我が王国の存続のために、王国軍の将として隣国と戦っていただきたいと思うのだが、どうだろう』
と。
貴方はどう思う?」
「僕は、青年は王国のために戦うべきだと思うよ。与えられた能力は皆のために活かすべきだ」
「そう。ならこうすればどう?
青年はこう答えました。
『まことに光栄ですが、王さま、私は先祖代々受け継いだ今の仕事に大変な誇りを持っています。この仕事を死ぬまで続け、後の世代に引き継ぎたいと思っています。失礼を承知で申し上げますが、ただ能力があるというだけで、それを活かすように強いることは、女性に"ただ子どもを産む能力がある"というだけで、子どもを産むように強いることと、何が違うのでしょうか。私には、同じことのように思われます』
と。
どうかしら?」
「
ねぇ、 架橋 椋香 @mukunokinokaori
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