部活動体験?私たちには関係ない
クラスが部活動体験だの入部だの言っても私たちは部活に入る気がないから普通に直帰。関係のないと言ってもうれしいことはある。それは謙太との時間をいっぱい作れること。「謙太、今日何処か寄ってく?」「うんん、大丈夫。欲しいものないから」「…そう」「礎。欲しいのはないけどどこか行く?」声色から察してくれたのか、私の望む回答をくれた。「ありがとう。じゃあ…甘い物食べに行きたい。」「甘い物…帰り道に寄るんだったらクレープかカフェ?」「謙太カフェ行ける?」「た、多分…?」「うーん、じゃあクレープにしようか。私のわがままに付き合ってもらうんだし」
帰りに寄り道の約束は取り付けたけどその前にまだ長い長い授業が2つも残っている。…放課後が楽しみ過ぎて授業に身が入る気がしない。この次の授業は数学と生物だから文系に行く私としては落としても何の問題のない教科だからそこは救いになるは。
「はい。じゃあこの問題を…入江。解いてみろ」簡単な二次方程式。指名された入江さんは問題を見ることもなく「分かりません」と断言。こんな荒れてる人のいるクラスで謙太、あと一年も大丈夫かな?心配だな~。
それから授業は進んで二次方程式の応用に入ったところで終わった。すぐに健太の机を向いて話し始める。「礎。今日の数学の先生の言ってること分かった?」「うん。分かったよ」「俺、なんもわかんなかったから教えてくれない?」「いいよ。クレープ食べながら教えるよ」「ありがとう。」
科学の時間もやたと長く感じた。今回やったのは生物の基礎、分類。まだ学校が始まったばかりで中学の復習から入ってくれる教科もあるから楽でいい。
「礎。化学もなにもわかんなかったんだけど…どうしよ」「健太。私たちがやってるの生物だよ」「…?え?だって分解とか言ってなかった?」「それは先生が授業の合間に言ってた雑談」「じゃあ僕はそもそも単元すらわかってなかった?」「ってことになるね」「礎、生物?も教えて欲しいだけど…クレープ食べながらで時間足りる?」「あー足りないかも。」「礎。じゃあ数学はもう諦める」「いやダメだよ。私は健太を大切にしたい。だから今日は家で勉強会にしよ?」
「…分かった。礎の家でいい?」「問題ないよ。じゃあさっさと帰ろ。」
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