始動 部活動

部活動決定 By馬瀬君

「部活!決めた!?」「おはよう、良治君。僕は決めた。」「俺も!決めた!同時に言うか!」朝のSHR前にそんなことを話していると紙を丸めた物を投げつけられた。『面白そうな会話に入れてくれて』亀朗君が斜め後ろの席から紙を投げてきたらしい。その異常な筋肉にはもうつっこまない。「亀朗君は!決めたのかい!」『もちろん。だから一緒に話したかったんだよ』「じゃあせーので一緒に言お…せーの「『にぎやか部』」」練習をしたわけでもないのに全く同じタイミングだった。

「綺麗に!そろったな!」『俺は書いただけだからあんまり関係ないけどな』「そんなことないよ。出すタイミング全く同じだったよ」『ありがとう』


入部届を放課後に出す約束をしてからSHRを受ける。先生がテストまであと少し、とかを聞いているのを日程を形だけ確かめながら頭の中では放課後の事でいっぱいだった。


放課後が楽しみ過ぎて授業が辛かった。本格的に始まった授業は50分。これが6こもあるわけだから辛い。救いはこれから部活である、と言ってもただ入部届を出しに行くだけど。「亀朗君、あの隣の席入江さんとは一緒の部じゃなくていいの?」移動中は僕か良治君の手のひらの上が定位置と化した亀朗君に聞くと良治君の手のひらで文字を書いている。まじかで見れてるのいいな。『大丈夫。あいつは遊び部に決めたらしいから偶に一緒に学校に泊まれば問題ない』「了解。」「亀朗君!話は!変わるんだけど!やっぱり!字!うまいね!」「ほんとに、何かコツとかあるの?」『コツとかじゃないけどとにかく書きたい字の全体を想像しながら書くと意外ときれいに書けるよ』授業のノートとかで綺麗に字が書けない僕からすれば本当にありがたい話だった。「んー!?俺は!元の形を!上手く覚えていないから!その方法は!使えないな!わざわざ!教えてもらったのに!すまん!」「大丈夫だよ。」そんな感じで授業が終わった後の喧騒にまぎれながら進むこと五分。魔窟、職員室についてしまった。

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