遊び部見学。これの存在意義とは?

この部に入ろう。何故なら犬が可愛いから。後ここには様々なタイプの不適合者がそろってるってこいつが言ってた。あー犬だけをみて生活していきたい。人と話したくない。

現実は嫌にでも見なくてはならないから抵抗の代わりに犬を見続ける。

亀朗がなんか書いてるけど目に入れない。その他のやつがなんか言ってるけど耳に入れない。とにかくわんこを触るこの手の先のみに感覚を集中されれば大概のことは乗り越えられる気がする。

『はじめましてー。えっとね僕はねー白さんだよー』犬、白さんの元気な自己紹介は可愛かった。つい頬が緩んでしまう。「こんにちは~。私は入江理有だよ。よろしく~」「わぅ」はー癒される。

『リアちゃん遊ぼ、遊ぼ』尻尾を振って遊ぼうと誘う白さんは可愛かった。「いいけど何したい?」『ボール、ボール投げて』ボール…当然丁寧に机の上に置いてある訳じゃない。机の下の方か。体を低くすると壁際の棚の下にボールが見えた。こうやってみて分かったけどこの部室本当に大切に使われてる。棚の下にも埃がたまってない。意外ときれいな棚の下に手をいれてボールを手探りで探していく。

『なあ嬢ちゃん新入りかい?』目の前にヤモリがいた。声がめっちゃダンディー。あ、ボールに触れた。「うん。おじさんは?」『あぁ?俺か?そうだな。多分二年目だ。』「そうなんだ。」


白さんと遊びながらヤモリに小守をするように見守られる。楽しかった。「次は何する?」『理有、そろそろ帰る時間だからな?』「ほんと?まだ6時だよ?」『今は仮入部だからそんなもんなんだよ』「じゃあ私泊っていく。これも立派な部活見学じゃん。」しばらく考えてから『先輩が許可してくれるんだったらそれでもいいけど』「話振られた気がしたから勝手に答えるけど泊るのは全然OK。なんなら今日の泊り当番私だから先輩とかもあんまり気を使わなくていい。最高じゃない?」「だって。亀朗も一緒に泊まろうよ」あんな家になんか帰って何もならないじゃん。

『分かった。一緒に泊まろう』「やった。」亀朗が文字を書いて何かを書いているのを横目に白さんとダンディーヤモリさんに泊まっていくからもっと遊べるって伝える。『え、もっと遊べるの?やったー!』『話し相手が増えたぜ』

その日は当然遊び倒して次の日の授業が辛かった。

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