部活動体験 2日目開幕

僕としたことが昨日の今日で寝坊をしてしまった。昨日よりは4時間ぐらい早いけど。言い訳は昨日遅くまで御伽症グランプリを見てたから起きるのがいつもよりきつかった。

今は学校の最寄駅。僕の通う学校はここから歩いて三分くらいの所。

今日はいつもより上級生が少ない。この学校は制服のボタンの色が学年ごとで分かれているから分かりやすい。

嫌な予感をひしひしと感じながらいつも以上に重い足を前に進める。

「そこの新入生、我らがアニメを科学で研究する会に入らないかい?」こんな声が聞こえてきたのは学校の最寄駅の改札の手前。校外にての部活動勧誘。声の方を見ると痛い先輩の集団がいた。眼帯、黒色のフリル付きのドレスを着た女の人。元の肌の色がわからなくなるまで化粧をして、ピンクのカーガーデンを羽織った女の先輩。「I♡科学」という文字が背中に入った特攻服を着ている先輩、その先輩と同じ顔の先輩は「Iam裸族」と言うズボンだけをを穿いた先輩。当然というか何というか道幅が足りないのそこの周りだけ人がいない。

朝から嫌な予感が的中して憂鬱になりながら学校に行く道を歩いていくと黒いパーカーを着てフードを被ってサングラス、ガーゼマスクを被った不審者が人に片っ端から話しかけてる。同じ一年生の制服を着た男子生徒が話しかけられてしまっていた。怖かったので腰折れ雀のを発動させる準備をしながら話に耳を傾ける。

「えっと、言いにくいんだけど君寝癖ついちゃってるよ」「え?マジで。何処ー」「前髪の上ぐらいのところだから鏡を見れば分かると思うよ。」「うわ。まじだ、ありがとうございます。」なんか平和な会話が聞こえてきた。不審者擬きがいたところを右に曲がるとそこからは真っ直ぐな道を100mぐらい歩けば学校に着く。

物がぶつかり合う音、人の呼びかけの声が聞こえてきてなんか曲がった先で起こっていることがわかってしまった。曲がると空手部、柔道部、総合格闘技部、ボクシング部、能力・武道研究部と書いてある旗を掲げた人たちがにらみ合っていた。道路を跨いで。だからその道を真っ直ぐ行きたければにらみ合ってる中を歩かなければならない。

正直本当に怖いけどここでくじけるわけにはいかない。二日連続での遅刻は不味い。



その後も学校内で何部なのかもわからないほどの部活が好き勝手に新入生を迎え入れていて通路がまともに歩けなかった。

教室には俺と同じようにここまで来るのにぐったりとしている人も結構いた。意外なことに宮守君もぐったり組だった。…亀朗君を探すと亀朗君ははまだいないみたいだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る