部活体験 睡眠同好会

遂にこの時間、放課後になった。今日は羽尾先輩がいる睡眠同好会に行く。べ、別に楽しみな訳じゃないけど恩をまだ返せてないから行くだけでけして会いたいから行くわけじゃない。部活はこの実践こそあれど人が少なすぎるからまだ部を名乗れないだけで部費らしきものもちゃんともらってるらしい。睡眠同好会の実績ってなんだよとも思わなくもないけど言ってみればわかるだろうから特に誰にも質問していない。

活動場所は部室。部室棟にの一番端の何気にデカい所をもらってるらしい。


場所は教室の地図で確認してるから意外と簡単につけた。

入るとそこは学校とは思えない部屋だった。左側の壁に立てかけられた棚から大量のいい匂いのする植物が生えて、右側の壁には大量の本が本棚にあった。そんな中でも一番目を引くのがヘルメット状のSFに出てきそうな道具の置かれた机。机は普通のクラスに置いてあるのと一緒だけど椅子は異様に豪華でフカフカのクッション付きで椅子の背を倒すことができるタイプ。

…見惚れてたわけじゃないけど、ただ何故かボーとしてしまってた。いつも羽尾さんの使ってる道具に見惚れた訳じゃない。だから気がつかなくてしょうがない。

「あのー仮入部ですか?」後ろから近づいて来ていた女子生徒に。ただちょっと驚いただけだからビックなんてなってないから。「そうです。えーと、先輩ですか?」その人は先輩の理想像のような先輩だった。制服を着ている感じがない、私服のように似合っている先輩。なんか運動部って感じの先輩。

「あれ、姫野ちゃん。きてくれたの?私に会いに?」まさにこの先輩とは正反対。対比の効果でもっと着こなしてるように見える。「あれ、綴の知り合い?じゃあ相当心が広いんだね」「それってどういうことですか?部長。」「えー結構そのまま言ったつもりなんだけどなぁ。まだ足りなかった?」なにか火花が散った気がした。

「もういいや。こんなわからずやの部長は置いておい「ようこそ。睡眠同好会へ」

「重ねないで貰えますか?部長」「何?見学者の案内は部長の仕事のはずだけど?」何度か勝手に部室内に入った事を謝ろうと思ったけど私が口を出す暇がないぐらいバチバチ喧嘩してる。仲が悪いんだ。一応心に留めとこ。

活動内容の案内は知り合いということで羽尾さんに纏まったらしい。私としても知り合いに案内してもらった方がいいからありがい。…誰も羽尾先輩に案内してほしいなんて言ってないから。

「この部活は人によってしてることが全然違う部活なんだ。て言っても二人しか部員がいないからなんとも言えないんだけど。」いつもより硬い喋り方だ。「じゃあ今までは部長と二人でやって来てたんですか?」

我ながら敬語に敬意が籠ってる気がしない。どちらかと言えば親…ヴフン嫌悪に近い感じ。

「一応。ただ私は植物オイルが睡眠の質にどう影響するのか、みたいな議題やってる。であっちの部長は運動部に助っ人に行って運動して来て睡眠の質を測ってる脳筋。」「は?一般の方がハーブだの柚子の葉だのドクダミだのなんて簡単に手に入らないだろ。誰でも手軽に睡眠の質を向上出来るのはスポーツですー。」

「流通が少ないのは需要が少ないからじゃん。それを理由に需要下げるなよ。」羽尾先輩の印象が私と話してる時と全然違う。


色々部長さん、羽尾先輩と話したらこの部活に入りたくなった。この二人は仲が悪いけど二人ともいい人だから続けていけそう。

…機械について聞くの忘れ、てなんかいないんだから。あえて、そうあえて聞かなかったの。

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