登校日の二日目 1の3
朝、入学式の次の日だからって早く来すぎてしまった。教室に誰もいない。
さっさと席に荷物を置いてしまおう。俺は名字が宮守なので出席番号が早いわけでも遅いわけでもない。だから席はいつも地味なところ。2号車の一番後ろ。
話は変わるが今日から部活動体験が始まる。荷物を自分の席に置いて昨日のホームルームの時に貰ったパンフレットを見る。部活動のページは校長の話の後、すぐのページだから3ページ。ちなみにこの高校は部活に力を入れていて他では聞かない様な部活が結構ある。折角この高校に来たんならそういう部活に入ってみたい。そういう部活の例としては遊び部、睡眠同好会、図書館管理部、にぎやか部、他にも色々。特ににぎやか部と遊び部が気になる。今日馬瀬君と亀朗君と一緒に行こう。
私が教室に着いたのは授業が始まる30分前だった。まだ二回目の登校だから出る時間が分からなかった。けしてマウントを取りたくて早く出てきたわけじゃない。偶然早く学校に着いた優越感に浸りながら教室を覗くともう既に人がいた。…あいつは確か初日からクラスの全員に話しかけてきて浮いてたやつだったと思う。私の席は大森だからドアから近いところで浮いてたやつ…確か名前は宮守良治とか言ったけ。そんな名前だから後半の窓際の席で相当離れてるからもしかしたら話しかけられないかも。希望を持って教室に入る。
俺がパンフレットを読み始めてから15分ぐらいしてようやく一人来てくれた。皆時間調節上手いな。俺の次にきた人は確か出席番号が馬瀬の近くの人。
「おはよう!」「おはよ。」相手も返してくれた。中学ではあんまり返してくれなかったから嬉しいな。話の話題はやっぱり部活の話がいいか。部活に入る気がなくとも会話が続くというのが最高だから。
「部活何か入る?」さっき挨拶をしてきたやつが話を振ってきた。
「取り敢えず今日は知り合いのいる睡眠同好会に行ってみようと思ってる。宮守君は?何処か入る?」…けして気になったとかじゃなくてなんかあれなだけ。
「俺は馬瀬君と亀朗君と相談してにぎやか部か遊び部の見学に行きたい。」…人の考えに口を出すのも礼儀がなってないけどつっこませて何でその二つ。濃くない?よく分からないランキング上位3つの二つをチョイスしてきた。「何やったか明日教えて。」
なんか教室がにぎやかだな。今日は理有と一緒の登校じゃない。理有は寝坊の所為でもう一方遅い電車で来る。俺は頑張って白い飛行機型ラジコンに乗って登校してきた。俺が一から作ったラジコン飛行機‟IMP‐A5型″俺の自信作。この5型にくるまで長い道程だった。1型は飛ばない、2型は脆い。3型は充電が少ない。4型は音がうるさい。ただこの俺の苦労の結晶5型の唯一の欠点は揺れが凄い。一人語りはこれで終わりにしてドアを開けたい。ただこのラジコンにドアを開けるような機能はない。欠点が一つ追加されてしまった。そのままクラス内の楽しそうな会話を聞きながら誰かが通りかかるのを待っていたら二分ほど経って同じクラスの生徒に助けられた。名前は確か…大月君に助けられた。ありがたい。そして‟IMP-A6型″にはアームをつけようと決意した一日の初めになった。
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