生徒たちの放課後
今僕は宮守君と一緒に帰り道に寄り道をしてる。今日入学式をおえてその帰り。仲良くなれた人がいてよかった。僕の中学だとお金を学校に持ってきちゃダメだったからこういう寄り道ってあこがれてたんだよね。
ホントは亀朗君も誘おうとおもってたんだけど呼び出されちゃって気を遣わせるのもどうかと思ったから諦めて宮守君と二人で寄り道中。
ここは学校から一駅の大きな駅、それも駅前がすごく発展している所にきてる。うちの地域だとここに来れば何でも買えると言われてる。文房具が欲しければ大量にある書店に行けばいい。なんならノートの専門店、ペンの専門店とかもある。
他にも他の国の料理、名前の聞いたことのないもの、ポピュラーなものの専門店。ゲテ物専門店。怖いお兄さんがいつもいる通り。よく何に使うのかすら分からないものを売ってる露店。他にもいろいろある。悪く言えば謀反地帯、よく言えばどこよりもにぎやかなところ。そんな所。
本当になんだろうとここに来ればそろう。ここになければそれこそ県外にいくしかないレベル。
そんなところにはいくら来ても飽きない。初めての寄り道にはピッタリ。
今日は森宮君がノートが欲しいって言ってたからついてきた。確かノートの専門店はビルに入っていた気がする。まあそれが何処だか分かんないんだけど。
「ノート専門店って何処だっけ?僕はあんまりここ来ないから分かんないや」「大丈夫。俺も分からない。」お決まりの返し。いつも思うんだけど何をどうして大丈夫なのか。どう考えても大丈夫じゃないじゃん。まあそんなことは置いておいて一番僕が驚いているのはこの大声にびっくりしていない事。
…まあ楽しく見て回ることも考えるとどうでもいい気がしてくる。
最初に見に行くビルを決めるぞー。俺としてはなんか近くにある一番大きなビルに行きたい。大きければそれだけお店が入ってるってことだからそれだけチャンスが多い。
それに大きいはカッコいい。これが1番の理由。まあ馬瀬君は分からないならどこ行っても一緒だと言うので俺の希望を通して一番大きいビルに行く。
やっぱり大きいビルだけあって人が多い、店が多い。俺が興味のあった店は鉢巻だったりバンダナだったりそう言う感じの布でできたアクセサリーを専門に扱ってる店があった。しかも柄が鉢巻は真っ赤な生地に黄色の文字で熱い色だった。あれもカッコいい。
「バンダナ欲しいの?」馬瀬君が俺の視線に気づいたのか聞いてきてくれた。「バンダナとか鉢巻は大量に持ってるんだけど真っ赤な生地の鉢巻を持ってなくて欲しかっただけ。」
赤は好きな色で色々持ってるけど鉢巻だけは何処を探してもなかった。まさかここにこんな熱い柄があるなんて。「でも、まずノートからどうにかしないとね」無意識に店の方に歩き始めてた俺を馬瀬君が止めてくれた。俺の悪い癖だ。直ぐに注意が逸れる。反省を生かしてノートを買いに行く。
…あそこのスパイス専門店辛そうなスパイスいっぱいあるな。ちょっと見ていこう。
なんで止めるんだ、馬瀬君。
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