先生たちの放課後 Two

酔いが回ってきたのを感じて時計を見るともう8時半になっていた。

チビチビ飲んでいるとはいえやっぱり一時間のんでいると酔いが回ってくる。

今の飲み会の状況は松川先生が私の知らない度数の高そうそうなお酒を大量に飲んでる。穂別先生も焼酎ロックを何杯も飲んでる。

この二人に共通して言える事は二人とも酔っている様子がない事。そして一切お酒を飲んでいない吾妻先生が何故か一番酔っている。…まさかここまでお酒に弱かったとは。匂いだけで酔うのか。これは反省しなくてはけれど今は穂別先生との関係を聞きたい。中々社会人としていかがなものかとも思うけれどもこの酔いに…

「うちと加奈の関係そんなに聞きたいん?」「聞きたいです」…当の本人の一人に聞かれました。もう思考を全て口に出しちゃうほど酔ったのかな。まあきかれて何の抵抗もなく認めてる時点で相当出来上がって気がするけど。

「何の話をしてるんですか?」松川先生に聞かれた。もう声に出してるなら隠し事は出来ないし諦めて話そう。「さっきからの声を出してたらしいので正直に答えますがただ吾妻先生と穂別先生の関係を聞きたいなーとか考えてただけです。」ここまで話して酔いとは恐ろしいものだと再認識する。何故なら松川先生と穂別先生の反応を見ていなかったから。松川先生はよくわからいことを言っている人を見る目で、そして穂別先生はの方を見て呆れている。ここまで酔っている私じゃなくてなんで吾妻先生なのかと思い吾妻先生の方を見ると吾妻先生がいたずらの成功した子供のような顔をしていた。

「ね、ね。どう。桜先生?びっくりした?凄い?すごいでしょ?」いつものクールで冷静な吾妻先生の面影ない。まるで甘えたがりの子供のようにグイグイ袖を引っ張られる。これは吾妻先生の御伽症[カエルの王様]の副作用。能力は本人から直接聞いたことはないか本当の答えは知らない。ただ多分読心系の系の能力だと思う。

「また使ったの?」いつも注意されてる穂別先生が注意してる。珍しい光景。この光景を前に見たのはいつだったか。確か去年度の夏だった気がする。何があったか知らないけど吾妻先生が御伽症を使って同じ光景を見たのが最後な気がする。つまり大体一年前。

「だって、暇だったんだもん。やならもっと構ってよ。昔みたいにもっと構え。構え」吾妻先生が構えとずっと言ってる。それよりも昔みたいにとは。まさかの幼馴染とかかな。

その言葉で穂別先生と吾妻先生が思ったより深い関係だってことが分かった。次の目標はもっと細かく二人の関係を聞くこと。


ちなみに吾妻先生はお酒を一滴も飲んでないのに盛大に酔った挙句何故かつぶれてしまった。そしてお酒を浴びるように飲んでケロッとしていた穂別先生に連れられて帰っていた。関係の謎が深まった。

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