先生たちの放課後 One

早速仕事をぱっぱと終わらせてから飲みに行く。

定時が待ちどうしかった。私はお酒にあまり強くない。全く飲めないわけじゃないけどビールをジョッキ一杯で限界に近くなるぐらい。

他の先生だと松川先生と穂別先生はお酒に強かった。吾妻先生とは一緒に飲んだことがないからわかんない。

全然関係ないけど穂別先生と吾妻先生は仲がいいらしい。普段の職員室では名前で呼び合ってるぐらい。一応生徒の前では名字で呼び合ってるけど生徒にもばれてると思う。

この二人の関係は誰も知らない。それを聞き出すのもこの飲み会の目標の一つ。まあ一番は普通に飲み会を楽しむことだけど。


四人で仕事を終わらせることができたのが7時30分。普段の生活だと有り得ない時間。それだけ頑張ったということである。

それから学校の近くの居酒屋さんに行く。ここは能力地検学校関係者が飲むならここしかないといわれるぐらいいい店。何故なら安い・上美味しい・メニューも豊富なのに人が少ない。そして学校からも近すぎないけど遠すぎない。そんな距離。私はこのお店以外で飲んだのは半年ぐらい前な気がするぐらいいい所。

着いたらまず最初に注文をすませてしまう。

私は生ビールと焼き鳥、各種セット。松川先生が焼酎のお湯割りと銀杏、唐揚げ。穂別先生は生ビールに餃子。吾妻先生が烏龍茶にラーメンサラダ。

それぞれ皆で注文をし終えたら楽しい飲み会が始まる。

話題は自分のクラスの生徒。

「ほらうち、二年担当じゃん。この学校の二年の先生厳ついの多いじゃん。」吾妻先生の言葉で色んな先生が思い浮かんだ。

最近会った先生だと筋肉自慢の社会全般担当している家代先生とか他にもいろいろ怖い先生がいっぱいいる。

「ほんと、か弱くてまともなのが私しかいないのはひどいよね。」

「先生。解剖した生物を食べようとする人はか弱いとは言いません」

こんな感じで話していたらお酒とおつまみが届き始めた。意外と早かった。

明日は日曜日だから授業はないし部活も明日は全部活休みだからちょっと遅くまでの飲んでても問題がない。なのでペースを落とし飲む。

「そうえば中津川先生のクラスどうでした?」松川先生は隣のクラスの副担任だから私のクラスの生徒の情報も頭に入っている。

「いい子そうな人ばっかでしたよ。コミュニケーションに難があるとか書かれた子もちゃんと挨拶できてましたし。」

「やっぱり一年生てかわいいよね。うちなんか一年生の担当したの一年だけだよ。」「それも鉦鼓が新任の一年ね」「ほんとにまだ慣れてなくてほかのことに目むけられない一年目だけだよ。ひどくない?」吾妻先生は私と同じくらい苦労されてる先生。この先生のこういう苦労してる中でもめげずに先生をしている所だけを見ればただ尊敬できる先生なんだけどそんな先生はこの学校では一人しか知らない。そしてその先生はこの先生ではない。つまりこの先生もあの校長先生に負けず劣らず個性が強い。

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