能力地検専門学校のLHR 亀朗
俺は亀だ。だから椅子に座るのが辛い。特にパイプ椅子とかほんとに上るのが辛い。なので入学式は免除してもらった。その空き時間に何故この学校の校長が俺の入学許可をしたのかが解らないのでのんびり考える。
俺は中学の卒業証書を持ってないし、そもそも中学に生徒として通ってない。人の思考は複雑で今の俺でも読み負けることがある。今回もそれの類なのか、俺が何かを見逃しているのか。例えば校長が御伽症だったらどうだろうか。能力は俺が読み負けたとしたら思考力の上昇だしもし能力を使って普通知りえない何かを知っていて俺の入学を認めたのなら情報を集める様な物と予想ができる。
さてそろそろ一般の生徒が帰ってくる頃だろう。多分理有は鳥と話に行ってるだろうからロングホームルーム直前に帰ってくるだろうからそれまで一人か。
今まで理有と一緒にいたからなにか物足りない。多分寂しいのだろう。まだ感情面では俺も解らない事が多い。
生徒が入ってきた。反応は…特にない。俺のことを見つけた生徒は三度見してから無視を選択したらしい。
人と話さなとなると時間を持て余すな。さてどうしようか。
「「ねえ」」2人に同時に話しかけられた。ボーっとしていたら人が二人いた。ビビった。なんだろうか。要件がわからない時は素直に質問するのがいいとこの間読んだ本に書いてあった。コミュニケーションが円滑になり尚且つタスクの質も上昇するらしい。
ただ頭は人並みでも声帯は亀のままだから声が出ない。つまり筆談しかないのだ。理有とは話が出来るから別だけど。
ボードに(なに?)と書く。驚いた顔をされた。慣れている反応。
自己紹介をしに来たらしい。俺が書いている間に2人が自己紹介をした。この元気が飽和しているようなのが宮守良治。そして宮守と同時に話しかけてきたお人好しそうなのが馬瀬正乃。覚えた。
今日はあと自己紹介がある。自己紹介ではクリップボードに名前、趣味を書いて終わった。ちなみに趣味は読書と日向ぼっこ。読書はペーパーだと捲れないので当然電子書籍。
その後はさっき話しかけてきた宮守良治の自己紹介ぐらいしか聞くところがなかった。なので俺の自己紹介が終わったら宮守の所以外ぼーっとして過ごしてたらいつの間にか帰りのホームルームが始まってた。
悲しい事に帰りのホームルームの時に俺だけ呼び出された。宮守と馬瀬が遊びに誘ってくれたのに残念だ。まあ先生が呼び出したのも話が通じるか確認のためだと思う。人外の生徒を持ったことのある先生も少ないだろうからしょうがないな。
(呼び出されてきました。)運ぶのは理有にやってもらった。当の理有俺の後ろにいるが中津川先生を睨んでいるのが気配と先生の表情でわかる。俺との時間が削られていらだって苛立っているのだとのだと思いたい。自惚れてないと思いたい。
「わざわざありがとう」(最初に謝るぐらいなら呼ばないで)…本音を書きそうになった。見えないように体で隠す。多分見えたと思うがまあ良いだろう。何が面白いのか笑っている。それもおしとやかな感じじゃなくて大笑い。アあはははみたいな感じ。これはヤバい。後ろにいる理有が引いてるのが分かる。さっさと話を終わらせて帰ろう。
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